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「一本松は家族」独居83歳・米田さん~美しく剪定

和歌山県橋本市長平の柿畑の中で、一本の松を家族同様に世話している83歳の女性がいる。家族を病気で亡くし、今は一人暮らしの米田ミヤジさんで、米田さんは「松や柿の剪定などして、働いているお陰で、私自身は病気を知らない」と、明るく元気に語った。
米田さんは昭和41年、自宅の庭の松の芽(小枝)を、柿畑の南西端に植栽した。当時、会社員だったミヤジさんは、農業を営む夫の野良仕事を助けながら、この〝一本松〟を育ててきた。
松は、背丈があまり大きくならないように剪定した高さ約2メートル、枝張り約3メートル、幹の直径約25センチの雄松。樹勢がよくて、今は〝三寒四温五風十雨〟の季節の中で、独特の美しさを呈している。
米田さんは、平成7年に夫を、さらに昨年暮れには長男を病気で亡くし、一人で暮らしている。二度目の悲しみから2か月余、今は再度奮起して、夫から引き継いだ農業や、一本松の世話を続けている。
ある早春の午後、行雲をバックに、軍手をはめて、ハサミの音をさせ、手際よく松の枝を剪っていた米田さん。「昔、庭木の剪定講習を受けたので、剪定技術には自信があります。家族の死など、悲しいことは次々やってきますが、負けてなどいられません。この松は私の大切な家族なので、松くい虫にやられないように、これからもしっかり守ります」と語った
その翌日には、周辺の柿の木を一本一本丁寧に剪定し、柿の本場・橋本ならではの美しい風景を見せている。
写真(上)は「この松は家族の一人」と話しながら剪定する米田さん。写真(中、下)は柿畑の中で美しく生きる米田さんの〝一本松〟。


更新日:2013年3月9日 土曜日 18:45

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