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旭堂南左衛門さん話芸披露「ゆの里」開業25周年

弘法大師(空海)ゆかりの高野山麓で、全国の観光客に人気の和歌山県橋本市神野々898、天然温泉「ゆの里」と宿泊施設お水の宿「このの」=重岡寿美子社長(78)=は、10月28日、開業25周年記念「ゆの里 講談会」を開き、約100人の温泉客が、旭堂南左衛門さんら講談師による日本の話芸を堪能した。重岡社長は、「素晴らしいお水のお陰で25周年を迎えられました。これからも皆様の健康第一に考え、温泉・宿泊施設を運営していきます」と誓っていた。
「ゆの里」は鉄筋4階建てで、1階はフロント、売店、喫茶コーナー、2階は浴場、スキンケアサービス、3階は食事処(大広間、個室など)、4階は宴会場、会議室、リラクゼーションコーナーなど。「このの」は18室で最大50人が宿泊できる。
重岡社長は愛知県出身で、橋本市高野口町の織物会社社長と結婚。当時、織物産業の黄金時代で、織機を一度動かすと、一万円札がごっそり入る〝ガチャマン景気〟だったが、重岡社長は「将来、織物界には中国が台頭。今後は人々の健康づくりが第一で、温泉施設が必要」と判断。周囲の猛反対を押し切って、掘削工事を推進。
当初、温泉は湧かなかったが、高野山麓で震度4の地震が発生した際、重岡社長は温泉湧出を直感。掘削師にバルブを緩めてもらったところ、毎分400リットルの無菌の水が湧き出した。昭和62年(1987)、念願の健康ランド「ゆの里」を開業。平成15年(2003)には宿泊施設お水の宿「このの」を開業。この間、温泉掘削を進め、最初の水を「金水」、平成2年に湧出した温泉水を「銀水」、平成8年の水を「銅水」と命名。金水と銀水をブレンドしたミネラルウオーター「月のしずく」や化粧品を販売し、野菜づくりや水耕栽培を展開している。
この日、「ゆの里 講談会」は、ゆの里3階大広間で開かれ、上方講談協会の元会長の旭堂南左衛門さんが「難波戦記より九度山の真田幸村」「左甚五郎伝より竹の水仙」、弟子の旭堂南舟さんが「太閤記より秀吉の足軽時代」、旭堂南斗さんが「山内一豊とその妻千代」を演題に、手振り、身振りも交えて、朗々と話芸を披露すると、聴衆は往時にタイムスリップ。大きな拍手が起きていた。
同温泉・宿泊施設のある地名「神野々」は、白鳳時代~奈良時代に「神野々廃寺」があった歴史的舞台。橋本・伊都地方には、万葉人が行き来した「飛び越え石」や、弘法大師の御母公を祀る高野山別格本山・慈尊院、口筆で書画を描いた大石順教尼の遺作を展示する「大石順教尼の館(旧萱野家)」、自然の宝庫「玉川峡」など、名所旧跡も多い。
大阪難波から南海高野線で橋本駅まで約50分、高野山真言宗総本山・金剛峯寺まで車で約40分と近いだけに、大勢の観光客が同施設を利用。入浴客は連日200~300人、宿泊施設の利用率は80~90パーセントにのぼっている。平成27年には、高野山開創1200年記念大法会や、和歌山国体が開催されるだけに、重岡昌吾専務は「ぜひ一度、お越しください」とPRしている。
写真(上)は「ゆの里」で話芸を披露する旭堂南左衛門さん。写真(中)は温泉・宿泊施設を築き上げた重岡寿美子社長。写真(下)は天然温泉「ゆの里」。


更新日:2012年10月28日 日曜日 21:44

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