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〝山里の貴婦人〟が見ごろ~山内の岸本さん育てる
茎が強く曲がって垂れ下がり、黄色い釣り鐘状の花をつけるキイジョウロウホトトギスが、和歌山県橋本市隅田町山内の岸本義弘さん(71)の庭で見ごろを迎えている。
このホトトギスはユリ科の植物で、奥ゆかしい花に見えるところから、別名「山里の貴婦人」「大和撫子(やまとなでしこ)」などと呼ばれている。
文献によると、気温や湿度などが適した四国、紀伊半島南部、静岡県中部、神奈川県西部などの、山地の渓谷や沢沿いの岸壁にわずかに稀産している。同県那智勝浦町の熊野那智大社境内の花が有名で、絶滅危惧種になっている。
岸本さんは、3年ほど前に南紀を旅したときに、同県すさみ町で4株を買い求め、鉢植えして木陰で育てており、「那智大社の分身ですよ」と話している。
今年はとくに美しく咲き、分身にあやかろうと、近所の人たちが訪れ、愛でている。10月下旬ごろまで楽しめそう。
写真(上)は美しいキイジョウロウホトトギスと世話をする岸本さん。写真(中、下)は岸本さんの庭に咲いたキイジョウロウホトトギス。
(写真・文=フォトライター 北森久雄)
更新日:2012年10月16日 火曜日 08:56