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〝創作オペラ石童丸物語〟22日、高野山大で公演

和歌山県橋本市の「はしもとしふるさとオペラ」(澤村テル代表)は、平安時代の父子哀話を伝える「創作オペラ石童丸ものがたり」を、9月22日(土・祝)、同県高野町の高野山大学・松下講堂黎明館(れいめいかん)で公演する。これは石童丸が高野山へ登ったとされる不動坂(京大阪道)の復活を記念した「高野山学・特別体験講座」の一環で、不動坂を登り、高野参詣道についての講演を聴いた後、〝創作オペラ石童丸ものがたり〟を鑑賞する初めての企画。ふるさとオペラの企画担当・小嶋彩子さんは「物語の舞台・高野山での公演、ぜひ見に来てください」とアピールしている。
〝石童丸物語〟は、筑紫の国(福岡県)の領主が、苅萱道心と称して高野山で修行。道心が出家後、生まれた一子・石童丸が父に会いたさに、母・千里とともに、高野山をめざす。しかし、女人禁制のため、母を山麓の宿に残し、不動坂を登り、道心に出会うが、修行中の道心は父と名乗れない。石童丸が落胆して宿に戻ると、母は心労のためすでに急逝。石童丸は道心の弟子となり、仏道修行するが、生涯、父子の名乗りをすることはなかったというストーリー。
「はしもとしふるさとオペラ」は平成8年(1996)に設立。橋本・伊都地域を中心にメンバー50人が、地元や和歌山市、大阪府河内長野市などで公演を続け、今回15回目となる。
不動坂は、高野七口(高野山に登る往時の7ルート)の1つ、極楽橋~高野山・女人堂(約2・5キロ)間の参詣道。和歌山県はこのほど不動坂を100年ぶりに整備・復元し、朱塗りの極楽橋も、リニューアルしている。
9月22日当日は▽いにしえの不動坂ウォーキング▽高野参詣道についての記念講演▽石童丸ものがたり公演…の3企画で構成。
「不動坂歩き」は午前10時受付で、南海高野線・極楽橋駅に集合。語り部とともに登山する。参加者は歩きやすい服装で、雨具や昼食、スポーツドリンクなど持参。小雨決行で参加無料。
「記念講演」は午後1時から高野山大学で、村上保壽・高野山真言宗教学部長(高野山大学名誉教授)が「高野七口の個性」をテーマに話す。聴講無料。
創作オペラ「石童丸ものがたり」は、午後2時開場、同2時半開演。苅萱道心に福井雅志さん、石童丸に中西善子さん、千里御前に山本弥生さんが扮し、高野山内の児童らも含めて、約35人が熱演する。
オペラで参詣人役を演じる石井敏明さん(橋本市民病院管理者)は、「この度、高野七口の表参道・不動坂が整備され、ウォーキングブームが起きています。私たちも、幼い石童丸が厳しい不動坂を登り下りしたことに思いをはせながら、しっかりと演じたいと思います」と張り切っている。
入場料は大人2000円(全席自由)で、小・中・高校生は無料。問い合わせは高野山学事務局(高野町中央公民館内)=電話0736・56・2076。
写真(上)は熱演する石童丸(中西さん=右)と千里御前(山本さん)。写真(中)は、おてるを演じる澤村代表。写真(下)は石童丸ものがたりのチラシより。


更新日:2012年9月20日 木曜日 18:51

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