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ブラックバス駆除〝ため池枯渇作戦〟橋本の6池
郷土のため池に繁殖した獰猛(どうもう)なブラックバスを退治しようと、和歌山県橋本市恋野の似賀尾池(にがおいけ)水利組合(辻本賢三組合長)は、地元の6つの農業用ため池の樋を抜き〝ため池の枯渇作戦〟を展開、ブラックバスなとを完全に殲滅(せんめつ)する。
似賀尾池は恋野地区の高台にある周囲約1キロの大切な水瓶(みずがめ)。裏山から流入する雨水は、天然水そのもので、もともと無数のエビが生息していた。
ところが、昨年4月、同池でブラックバス(コクチバス)が発見され、これが繁殖。農業用水路を通じて、下方の本田池、新池、つつじ尾池、神野池、円浄庵池に流入すると、さらに繁殖を重ね、万が一、紀の川に流入すると、他の川魚を食い尽くす。
そこで、同水利組合は8月に「親子釣り大会」や「つかみ取り大会」を開催。大勢の親子らが参加して、ブラックバスなどの外来魚が、日本の水生生物の生態系を破壊することを説明。釣りや生け捕りによる〝除去作戦。を展開した。
今回は、似賀尾池の堤防工事を行うのを機会に、6つの池すべての樋を抜きいて、ブラックバスなどの繁殖を完全に阻止。すでに似賀尾池の枯渇作戦を完了し、9月上旬には他の5つの池も、全部枯渇させる。
一方、地元の子どもたちは、池の周辺に「ブラックバス・ブルーギルの放流・持ち出し禁止」(和歌山県、和歌山県警)の立て看板を設置。辻本組合長は「もとはと言えば、心無い人たちが、ブラックバスを似賀尾池に放ったからです。私たちも厳しく監視しますがら、皆さんも協力してください」と言っている。
写真(上)は枯渇作戦が実施された似賀尾池。これから枯渇作戦が行われる本田池。写真(下)はブラックバスなどの駆除を目指し行われた親子釣り大会