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会報「玉川峡」100号に~〝アユまつり〟も案内
和歌山県橋本市、高野町、九度山町の3市町を流れる玉川峡(紀伊丹生川)の活動グループ「玉川峡(紀伊丹生川)を守る会」(森下健代表)の会報が8月、創刊から〝100号〟を迎え、その特集号を発行した。同会の前身である「紀伊丹生川ダム建設を考える会」は、ダム建設を阻止し、今は、玉川峡の保全活動に働いており、事務局の木ノ本豊さんは「基本理念を理解してくれる会員の皆さまのお陰で、さらに200号を目指したい」と記している。
玉川峡は、高野町富貴から弘法大師・空海が開いた高野山の山麓を流れ、紀ノ川にそそぐ支流。両岸には山々が屹立(きつりつ)し、多種多様な植物の宝庫。川には名物〝玉川四十八石〟があり、アユやアマゴ釣りの本場。
この玉川峡に国のダム建設計画が持ち上がり、平成10年(1998)、有志らが「紀伊丹生川ダム建設を考える会」(約60人)を結成。自然環境保全の立場から建設反対を訴え、国は平成14年(2002)に建設計画中止を発表。以後、名称を「玉川峡を守る会」に変えて、玉川峡の里山作業、河川清掃、動植物調査、水質調査、水生生物調査、古道調査を行う一方、ホタル観賞会やアユまつりなどのイベントも実施。多くの参加者とともに自然との共生の大切さを学んでいる。
会報100号(特集号)は、15ページで、1面には「100号を記念します」の見出しで、平成10年(1998)の創刊号からの会報の一部集合写真で飾り、森下代表が「ダム審議会や地元の説明会の動きなど緊迫した様子がわります。また、ダム反対のためのイベントやさまざまな活動が生き生きと報告され、会の活動をささえ、運動を広げてきました」と述懐。多くの執筆者や購読者に謝辞を述べている。
4~9ページには、会員にアンケートを実施し、その調査結果(会員の希望イベントや、会報・ホームページへの感想など)を紹介。10~11ページには6月6日、世界のカゲロウ、カワゲラの研究者ら78人が玉川峡を訪れ、地元の小学生ら84人と水生昆虫を採集、子どもたちは名前や生態を教えてもらい、楽しい〝バーべキュー・交流会〟も開かれたことなど、カラー写真入りで紹介。14ページには6月17日に確認した〝開花樹木〟や〝小動物〟を紹介。サツキ(地元ではイワツツジ)、マタタビ、テイカカズラ、ユクノキ、モリアオガエルの卵塊の5枚のカラー写真と短文で綴っている。
最終ページには「8月26日(日) 玉川峡アユまつり
ご案内」の見出しで、前回の写真を使って、楽しい雰囲気を見せ、「午前10時に橋本駅集合」「アユの追いかけや網入れを楽しみ、採れたアユの塩焼きと、地元の猟師さんとっておきのシシ肉で楽しい一日を過ごしましょう」「参加費(食費):大人1人2000円、学生(高校生~大学生)1人1000円をお願いします。中学生から以下無料(小学生は保護者同伴のこと)」「みんな集まれ 連絡先:野中雅弘☎0736・54・3188」と呼びかけている。
副代表の野中さんは「100号を記念して」と題し、文中で「自然が好きでこの美しい景観を守り続けたいと思う。同じ価値観を持った皆様と出会えたことを、非常に嬉しく思います」と述べている。
写真(上)は会報「玉川峡」100号の1面。写真(中)は創刊号からの会報の数々。写真(下)は会報100号を飾る〝玉川峡アユまつり〟の案内記事。