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橋本市史(古代・中世)刊行…全6巻15年で完結
和歌山県橋本市は「橋本市史 古代・中世史料」(A5版上製本、1150ページ)を発刊した。同市が市制50周年記念文化事業として、1996年(平成8)から市史編纂(へんさん)に取り組み、すでに市史5巻を刊行。これで全6巻の刊行を完結した。
「橋本市史 古代・中世史料」は、万葉人が橋本で読んだ万葉集や、平安時代から残る〝隅田荘〟〝相賀荘〟〝政所荘〟などの史料を掲載。▽紀人羨しも▽高野参詣▽紀伊国伊都郡▽隅田荘し隅田氏▽相賀荘と坂上氏▽政所荘(官省符荘)▽高野山の分田支配▽高野口町地域の文化財がまとめられている。
すでに刊行されているのは、紀州藩士が参勤交代で橋本を通る際の地元の対応の仕方や、農林業の実態、塩や米を運んだ〝川上船〟の様子などを紹介した「近世史料Ⅰ」、江戸時代に橋本にあった高野山寺領の史料や、今も残る三軒茶屋常夜灯籠の設立時の史料などを収録した「近世史料Ⅱ」、明治初期~昭和30年の橋本市誕生の行政、軍事、衛生などを掲載した「近現代史料Ⅰ」、凍豆腐製造や養蚕などの産業、大正・昭和の暮らしを紹介した「近現代史料Ⅱ」、橋本の衣食住、山仕事、紀ノ川と暮らしを掲載した「民俗・文化財編」。いずれもA5版上製本で、各巻とも1冊5000円。
木下善之市長は「完結した6巻は、わがまち橋本のいにしえの文化、歩みの証となるものであり、それぞれの時代を誠実に生きた人々の声を感じ、本市への愛着を一層深めていただける力作であります」と記し。市史編纂委員や史料を提供した市民に謝辞を述べている。
執筆は次の皆さん。
「古代・中世史料」=上横手雅敬(編纂委員長)、小倉英樹、坂口太郎、横澤大典、吉田賢司。高野口町地域の文化財=
岩倉哲夫、大岡康之、大河内智之。「近世史料ⅠⅡ」=笠原正夫(編纂委員長)、岩倉哲夫、岡本俊史、北澤齊、廣本満。「近現代史料ⅠⅡ」=木村博(編纂委員長)、北澤齊、東毅。「民俗・文化財編」=宮本佳典(編纂委員長)、秋宗正男、犬飼健也、大岡康之、北澤齊、櫻井隆治、瀬崎浩孝、田中治、中村安雄、林邦有、東毅。
問い合わせ・申し込みは〒648・8585 和歌山県橋本市東家1丁目1番1合、橋本市役所企画部企画経営室(電話0736・33・1111代、ファックス0736・33・1665)。
写真(上)は完結した「橋本市史」全6巻。写真(中)(下)は今回、発刊した「橋本市史 民俗・文化財編」。