ユーモラス〝御田祭〟に爆笑～丹生都比売神社

和歌山県かつらぎ町上天野の世界遺産・丹生都比売（にうつひめ）神社で、１月１５日、平安時代から伝わる「天野の御田祭（おんだまつり）」（県無形民俗文化財）が行われた。この祭はもともと深夜の〝お田植え〟儀式だったが、鎌倉時代に〝申楽（さるがく）〟が加わり、室町時代には狂言形式になって、現代へと伝承されている。
この日、丹生晃市宮司が「御田祭は五穀豊穣（ほうじょう）を祈り、神様に奉納して、神様に喜んでいただく神事です。本日は神様とともに、お楽しみください」と挨拶した。
この後、同神社の朱塗りの楼門内を舞台にして、農夫の面や烏帽子（えぼし）をつけた〝田人（たびと）〟が鍬（くわ）をかつぎ、〝牛飼（うしかい）〟が鋤（すき）をかついで登場。２人が牛飼い神事の後、しなやかに現れた３人の早乙女（さおとめ）に近づき、牛飼が早乙女たちの悪口を言えば、逆に田人が褒めことばを述べ、最後に早乙女を連れ、みやびやかに御田を舞う。
今度は、男性がお多福の面をつけ、モンペをはいて女装した〝田ヅ女（たづめ）〟が登場。田ヅ女は、田食（たじき）を一箸（ひとはし）ずつ、田人、牛飼、早乙女、参拝者に配っていく。その際、田ヅ女は、ぎこちなく腰を振って歩いたり、相手の顔を下からしげしげと見上げたりして、ユーモラスな仕草を見せると、見物席から爆笑が起きていた。
この祭は、笑いをさそう見せ場が多いだけに、大勢のプロやアマのカメラマンが、周囲に陣取り、盛んにカメラのシヤッターを切っていた。
写真（上）はユーモラスに腰を振り振り歩く田ヅ女（中）は早乙女を下から覗き見る田ヅ女（下）はしなやかに登場した早乙女たち

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