今年の終盤〝気を引き締めて〟～小豆粥占い神事

今年の稲作の豊凶を占う「小豆粥（あずきがゆ）占い神事」が、１月１５日午前５時から、和歌山県橋本市隅田町垂井の隅田八幡神社（寺本嘉幸宮司）で行われた。
この神事は、あらかじめ３本の竹筒を制作。切り目１つを入れた竹筒は「早稲（わせ）」、２つ入れた竹筒は「中稲（なかて）」、３つ入れた竹筒は「晩稲（おくて）」とし、この３本を筏（いかだ）状に組んで用意。
この朝、寺本宮司が、神前に供えた洗米（１合）と小豆（５合）を、大釜（おおがま）で炊いて小豆粥（あずきがゆ）をつくり、煮えたぎったところへ、竹筒の筏を沈め、しばらくしてから取り出して、神前で竹筒を開いた。
その結果、「早稲」と「中稲」の竹筒には、米に小豆が５粒程まじり、「晩稲」の竹筒には小豆が１０粒程まじっていた。この占いは、米が多いほど「豊作」とされることから、今年の序盤、中盤（１～８月）は「豊作」、終盤（９～１２月）は「やや不作」と出たことになる。
これは、単に農業だけにかかわらず、この１年間の、諸々の事柄に関しても当てはまるという。
寺本宮司は「参拝者の中には、小豆の多い方が〝豊作〟と見る人もいるし、それぞれの方の感性で、自由に見てもらっても、それは結構です。ただ、今年の終盤は〝気を引き締めるように〟と言うことだと思ってください」と話した。
この神事は約３００年続く同神社の伝統行事で、小竹管（しのめくだ）を用いることから、「管祭（くだまつり）」とも呼び、橋本市の無形民俗文化財に指定されている。
写真（上）は釜から竹筒の筏を上げる寺元宮司（中）は竹筒を開ける寺本宮司とそれを見守る人たち（下）は今年の竹筒の中の様子（右から早稲、中稲、晩稲）

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