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懐かしの〝欧文タイプライター〟郷土資料館へ寄贈
和歌山県橋本市古佐田の男性が〝1950~55年の手動式・欧文タイプライター〟を橋本市郷土資料館に寄贈し、保存展示されることになった。このタイプライターを点検した1級通信技術士で元県立紀北工業高校教諭・池永恵司さん(81)は「このタイプライターは、今で言えばワープロ、さらにはパソコンで、終戦後の一時代の懐かしい文章事務の補助機械です」と喜んでいる。
このタイプライターは、キーボードを叩くとアームが動き、その先端に刻まれた「A」ならの「A」の文字が、セットされた用紙を打つ。リボンのインクが沁みこんだアームの先端が、パチ、パチ、パチ…と用紙を打つたびに、欧文活字が並んでいく仕組み。
寄贈する男性の話によると、1985年ごろ、JR南海橋本駅の近くの民家が立ち退く際、処分しようとしたが、「将来、何かの役に立つのでは」と譲り受けた。最近、所要で同資料館を訪れたところ、「資料館には視聴覚関係の資料が1つもない」と言うので、自宅に保管してきた〝欧文タイプライター〟のことを思い出し、寄贈することにしたという。
香川県詫間町の国立詫間電波高等学校(現・同高等専門学校)第1期生としてモールス信号からタイプライター技術を習った池永さんは、「このタイプライターは、どこにも故障か所はありません。リボンにインクを注ぐと、今でも新品並みに使えます」とお見立て。
また、「戦後の経済成長期には、どこのオフィスも、パチ、パチ、パチと、いい音が響いたものです。私も昔はよく活用させてもらったし、映画のシーンにも、よく、女性タイピストの姿が映し出されましたよ」と懐古していた。
更新日:2011年10月26日 水曜日 14:47