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神輿渡御の行列進む~「子ら健やかに…」官省符祭
和歌山県九度山町慈尊院835、丹生官省符神社(宮崎志郎宮司)の〝官省符祭(かんしょうぶまつり)〟が10月23日、うやうやしく営まれた。同神社は816年(弘仁7)に弘法大師・空海が創建。この祭りは、〝ひとえに子どもの成長を祈る祭り〟で、大勢の家族連れらが訪れ、秋の一日をすがすがしく過ごした。
午前10時から、神殿で献茶・献花があり、巫女姿の小学生8人が、静々と〝浦安の舞〟を奉納。お供え物をいただく直会(なおらい)の後、地元の真田太鼓や、紀の川市の〝寿月会〟メンバーの剣舞「青葉の笛」、詩舞「春暁(しゅんぎょう)」、地元の若者たちによる紀州やっちょん踊りなどが披露された。
この祭りの本願「當年児(とうねんご)=昨年9月25日~今年9月24日に誕生した赤ちゃん=ご祈祷」では、神官が當年児の額に朱色(丹生)で、男の子には「大」女の子には「小」の文字を書き、健やかな成長を祈願。櫓(やぐな)から、大餅投げが行われると、家族連れらは「わあーっ、もっとー」「こっち、こっち」と大騒ぎで、餅拾いを競った。
この後、〝神輿渡御(みこしとぎょ)〟があり、大麻(おおぬさ)を先頭に唐櫃(からひつ)を持つ人、高張(たかはり)=ちょうちん=を提げる人、日旗(にっぱん)月旗(げっぱん)、鉾(ほこ)、太刀をかざす人、さらに斎主・宮崎宮司、御幣(ごへい)、當年児を抱いた親御さんらの長い行列が、同神社を出発。紀ノ川べりの〝宮の浜・嵯峨浜(御旅所)〟まで練り歩いた。
〝官省符祭〟は昔、橋本・伊都地方の〝荘園最大〟の祭礼と言われ、紀伊名所図会(天保年間)にも描かれている。それだけに同神社の長い石段を〝御旅所〟へ向う行列は、はるか昔にタイムスリップしたような光景。若いカップルらは、盛んに携帯電話のカメラに収めていた。