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見事〝消火・人命救助〟訓練~橋本北消防署が始動
和歌山県橋本市の北部地域の消防・救急防拠点として、同市小峰台1丁目32の7に新設した「橋本北消防署」の開署式が10月1日、木下善之市長や大谷明署長ら関係者が集まって開かれた。
同消防署は鉄骨2階建て延べ約700平方メートルで、車庫、出動準備室、体力鍛錬室、消毒室があり、隣にヤグラ型の鉄骨5階建ての訓練棟・本棟(約100平方メートル)と、同2階建て副棟(50平方メートル)がある。昨年夏、総工費約1億4700万円で着工していた。
この日、地元の企業団体「一世の会」が寄贈した「橋本北消防署」の〝天然石看板〟(揮毫=木下市長)を除幕。木下市長が「これまでは、橋本消防署から市北部地域まで離れていて、火災や救急対応に遅れがあった」と、新しい消防署の建設理由を説明したうえで、「これからは、市北部の新興都市や紀北エコヒルズの進出企業の防災に活躍していただきたい」と期待の言葉を述べた。大谷署長は「私たちは、北部地域の安心安全に全力を尽くします」と誓った。
木下市長ら関係者がテープカットで開署を祝った後、消防士らが「高層ビル火災で2人が取り残された」との想定で、新しい2棟の訓練棟を使って、火災消火・人命救助訓練を披露。けたたましいサイレンとともに、はしご車や消防車が出動し、はしご車の先端から放水したり、2つ訓練棟の間に張られたロープをするすると渡たったり。見事、2人の救出を演出した。
大勢の市民らが、近くの道路・横断歩道橋から見物し、「消防署の建物が出来ただけでなく、あの消防士の、てきぱきした気迫と動作…、これは、ほんとうに心強い」と喜んでいた。
同消防署は、署長以下19人、はしご車、救急車など4台体制でスタート、化学工場などの防災に対応する化学車の配備も予定している。
市北部は、約35年前から、丘陵地が次々と造成され、南海高野線・林間田園都市駅や、幼稚園、小中学校、高校を新設。住宅開発が、どんどん進められてきた。約7年前には、小峰台に橋本市民病院を建設。市役所近くの国保橋本市民病院から移転した。また、市北部の「紀北エコヒルズ」には、他府県から企業続々と進出していている。
橋本北消防署は、隅田町の一部を含む、市北部地域(約2万5000人)を管轄区域とし、火災予防や消火活動、人命救助に当たることになる。