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最大級の墓地周辺で清掃奉仕~橋本の高齢者30人
秋分の日の9月23日、約1500基の墓石が並ぶ和歌山県橋本市古佐田の〝古佐田橋本墓地〟周辺で、地元の古佐田老人クラブ(池永恵司会長)の約30人が、清掃奉仕をし、無縁仏の供養を営んだ。同墓地管理委員会の阪口繁昭委員長(83)は「お蔭で気持ちよく墓参していただけます」と、遺族になりかわり礼を述べた。
同墓地は県内でも最大級。最近は東京や大阪へ古里を離れている市民も多く、墓参に戻れない人もいる。同クラブのメンバーは、早朝から箒(ほうき)やゴミ袋を持ち、同墓地周辺と、古佐田区民会館までの約1キロ間の道路を清掃。ゴミは紙類や空き瓶、空き缶、ペットボトル、煙草の吸殻などゴミ袋7つ分にのぼった。
この後、メンバーらは東西2か所の無縁塔(約1000基)に高野槙(まき)や線香をそなえ、全員合掌して冥福を祈った。墓参の人たちは、「お墓の周りが、いつもきれいのでうれしい。ご苦労かけます」と喜んでいた。
一方、市民ボランティアでつくる墓地管理委員会は、普段から水の確保や、枯れた供花の後始末、道の手すり保全、排水路の改修などを実施。最近は、高齢化に伴い「足腰がだめになり、墓参りができない」「古里を遠く離れ、都合で今回は帰れない」などと困る人が増えている。
阪口委員長は「ご遺族から依頼を受け、私だけでも今回20件の〝代理墓参〟をしました。高野槙をお供えし、心からご冥福を祈らせていただきました」と話す。
ただ、「老人クラブのメンバーが衣服を汚し、汗を流して、清掃奉仕してくれているのに、通りがかりの〝教育ママ〟が『しっかりせんと、あの人達みたいになりますよ』と、子供に言う姿を見ますと、悲しくなります」と打ち明け、「それでも、黙って清掃奉仕することで、仏様には、わかってもらえるはずです」と話していた。