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お手柄JA職員…詐欺見破る~橋本署長が感謝状
振り込め詐欺の被害を未然に防いだとして、和歌山県警・橋本署の中島通隆署長は9月14日、同県九度山町九度山のJA紀北かわかみ九度山支店(廣田一恭支店長)信用渉外係の清水崇士さん(30)に感謝状を贈った。清水さんは「感謝状をいただき光栄です。今後もお客様が被害に遭わないよう注意します」と話した。
清水さんが8月26日、顧客の男性(78)を訪問した際、この男性から「義理の弟(入院中)が以前、社債を購入したが、最近、その関連会社の者という男から電話があり、『今なら120万円振り込んだら、出資額の80パーセントの480万円を返金する』といわれた。今日中に振り込んでほしい」と、預金通帳を渡された。
清水さんは「相手は、まだ、自分の電話番号を教えただけで、振込先を言わないし、口約束のうえ、金額が大きすぎる。これはおかしい」と直感。男性に「これは振り込め詐欺の疑いがある…」と指摘し、男性に警察へ届けるよう促した。
橋本署の調べでは、この関連会社(東京)は存在するが、電話の主の電話番号(大阪)は、同社と無関係であり、同署が電話をかけても誰も出ないところから、電話の男が関連会社の者と名乗って、詐欺を働こうとしたらいい。顧客の男性は夫婦2人暮らしで、「清水さんのお蔭で助かった」と喜んでいるという。
この日、中島署長は署長室に清水さんと廣田支店長を招き、「よく詐欺被害を防いでくれました」と、感謝状を贈ると、清水さんは「あの時、不審に思ったので、上司に相談したうえ、お客様には『もっと会社を調べてからにしては…』と申し上げました」と話した。
同署の話では、最近、出資法違反すれすれの、このような手口の振り込め詐欺が横行し、被害は全国で1022件39億円にのぼり、金融庁・消費者庁が「被害に遭わないように」と警告している。