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泥んこ魚取りで大歓声~恋野の池で外来魚も駆除
和歌山県橋本市恋野の市立恋野小学校(宮井利明校長)の児童35人は8月29日、地元の農業用水・本田(ほんでん)池で、魚のつかみ取りと外来魚の駆除を行った。
恋野地区の似賀尾池水利組合(辻本賢三組合長)が、水田を潤し、洪水を防ぎ、生態系を守り、景観を見せる「ため池」について、子供たちに知ってもらい、古里のいい思い出にと企画、県や市、恋野小PTAが主催した。
子供たちは水着などに着替え、すでに樋(ひ)を抜いて、水深約50~1メートルになった池に次々と入り、どろどろの水中を、背びれを見せて泳ぎまわる魚を、泥んこになりながら追いかけた。
その結果、つかまえた魚は、鯉(こい)80匹、鮒(ふな)5匹、外来魚(オオクチバス)80匹にのぼった。鯉は最大で体長75センチ、オオクチバスは同40センチもあり、今後、鯉などは、かつらぎ町にある県の浄化槽で飼い、川や池の水質検査に役立てる。
子供たちは、大きな鯉や鮒を抱きかかえて大歓声。全身泥んこで、大物をつかまえた恋野小6年の野田磨央君(12)は「ぼくは5匹もとったよ。面白かった」と、ガッツポーズしていた。
今年4月には、高台にある似賀尾池で、コクチバスが見つかり、これが農業用水路~本田池~農業用水路から紀ノ川に流入すると、コクチバスは急流でも低水温でも生息するため、一気に繁殖。他の魚を食べ、生態系を壊すと恐れられている。
この日、つかまえたのは、いずれもコクチバスではなかったため、県は「コクチバスは似賀尾池から本田池まで降りてきていない」と安堵したが、本田池の2ヶ所には「ブラックバス・ブルーギルの放流・持出禁止」(和歌山県、和歌山県警察)の看板を設置。子供たちがその杭打ちを手伝った。
辻本組合長は「子供たちには、いい勉強になったし、夏休み最後の楽しい体験になったと思う」と話した。