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豊作祈り〝嵯峨谷の神踊り〟~15日、若宮八幡宮
和歌山県橋本市高野口町嵯峨谷に伝わる県無形文化財「嵯峨谷の神踊り(さがたにのこおどり)」が8月15日午後2時から、地元の若宮八幡宮で繰り広げられる。神踊り保存会では「五穀豊穣」「家内安全」を祈る山間農民の誠心こもる民俗芸能といい、毎年、大勢の人たちが見物に訪れる。
神踊りメンバーは、歌、太鼓、踊り子の計約10人で構成。先ず神主が「願満たし」を祈念した後、若連中が笹に色紙の短冊をつけ、踊り子が薙刀(なぎなた)で「悪魔払い」をしながら境内に練りこみ、神殿にうやうやしく口上。
「宝踊り」「長者踊り」「牛若踊り」「御船踊り」「綾踊り」「花見踊り」「姑踊り」「殿御踊り」「「御礼踊り」「頼子踊り」の順に、単純で素朴な踊りを奉納。踊りの合間には口上が入る。
神踊り保存会は、この踊りの起源について、文献が少なく、年号不詳だが、歌台本には「鎌倉踊り」「木曽踊り」があり、「相当の年代経過をうかがえる」と解説。戦争や過疎化で、継承難の時代もあったが、今は、和泉山麓の高野口町浦窪、中垣内、西垣内の3地区の若衆たちが、江戸時代末期に書かれた歌台本に従い、保存・伝承しているという。
この神踊りは、1996年に「故郷誕生記念イベント」(海南市)で、県知事から「ふるさと大賞」を受賞。97年には県文化交流使節団として、フランス・ペルピニアン市で披露。
また、高野口町商工会青年部主催の「カッパフェスティバル」や、かつらぎ町内の〝道の駅〟での「歴史街道ウォークイベント」などに参加。その素晴らしい民俗芸能は、大きな喝采を浴びている。
(写真は2009年、フォトライター北森久雄さん撮影)
更新日:2011年8月13日 土曜日 18:55