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空海しのびアサガオ展~九度山・紙遊苑108鉢
弘法大師(空海)が中国からアサガオの種(薬剤)を持ち帰った〝言い伝え〟にちなみ、世界遺産・紀伊山地の霊場と参詣道にある紀州高野紙伝承体験資料館・紙遊苑(和歌山県九度山町慈尊院)で、見事な「アサガオ展」が開かれている。9月11日(日)まで。入苑無料。松山健苑長は「アサガオは午前10時ごろまでが見頃です。気軽にお越しください」と言っている。
展示されているのは、形も色も桔梗(ききょう)に似た「桔梗咲き」、5弁の花びらの芯に白い筋のある「曜白(ようじろ)」、一般的でふつうの「大輪咲き」など5種類のアサガオ計108鉢で、簾(すだれ)を掛け、強すぎる日差しを遮るなど、花壇で丹精込めて育てられている。他にプランター栽培のものもあり、総数は176本にのぼる。
同苑の話では、アサガオは奈良時代~平安時代、空海など遣唐使がアサガオの種を下痢、利尿剤などに効能があるとして、持ち帰ったのが最初とされている。そこで、紀伊山地の霊場と参詣道が世界遺産登録5周年の2009年、その記念事業として第1回アサガオ展を開催。今回が3回目となる。
同苑は高野山真言宗・勝利寺の境内にあり、同寺の本尊は「厄除け」信仰の厚い十一面観音像。松山苑長は「アサガオを108鉢としたのは、仏教でいう〝108煩悩〟の数を表しました。今年は東日本大震災・原発事故など悲しい出来事が多いので、アサガオを見て、少しでも心を癒してもらえたらと思います」と話した。
同苑は午前9時~午後4時半。火曜日が休苑。ただし、開苑前、閉苑後、閉苑日でも、苑の門の右手から、自由に入苑し、アサガオ鑑賞ができる。
更新日:2011年8月10日 水曜日 22:14