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ハンデ克服・中村先輩が水泳披露~児童ら大歓声
パラリンピックの日本代表・水泳選手として名高い、和歌山県橋本市の中村智太郎選手(26)が、6月24日、近くの母校・橋本市立紀見小学校のプール開きに特別参加。全校児童423人を前に、両腕のないハンデを克服した、見事な水泳を披露し、児童らと一緒にプールで遊んだ。中村選手は「水泳は気を引き締め、事故のないように、楽しんでほしい」と話した。
中村選手は、生まれた時から両腕がなく、水泳との出会いは、5歳のころ、「水に溺れないように」と、親がプールに連れて行ってくれたのが始まり。その後、橋本スポーツクラブなどで猛練習を重ね、2004年のアテネ大会では、競泳男子100メートル平泳ぎで銅メダルを獲得、08年の北京大会の同種目では、5位の成績を残している。8月には、カナダで開かれる「パンパシフィック大会」に出場することになっており、優勝を目指している。
この日、プール開きには、先発の1部(2、4、6年生)、後発の2部(1、3、5年生)に分かれて参加。先ず、児童らがプールサイドで見守る中、中村選手は水中めがねをかけて、25メートルプールに飛び込み、バタフライ、背泳、平泳ぎ、クロールの順に、100メートルメドレーを披露した。
中村選手の飛び込む瞬間の気合、体全体と両足のキックで、魚のように泳ぐ推進力…。そのたくましい姿を、目の当たりにした児童たちは、「すごくはやい」「泳ぎがきれい」などと歓声をあげ、力いっぱい拍手を送った。この後、全員がプールに入り、中村選手と記念撮影したり、泳ぎ方を教えてもらったり。先輩と楽しい時間を過ごした。
中村選手は「このプールで泳ぐのは、卒業以来14年ぶりです。プールも教室も、ちっとも変わってなくて、感慨深いです。後輩たちには、元気に育ってほしいです」と期待した。
また、北にそびえる三石山を見上げながら、「朝夕、この山をみて育ちました。今でも、毎年1回は、近くの御幸辻の人たちと、あの頂上まで登山します。下半身を中心に鍛えられるし、気持ちも癒されます」と明るく話した。佐藤校長は「素敵な先輩がいてくれて、とてもうれしいです。子どもたちは、中村先輩の泳ぎから、大切な何かを学んだと思います」と喜んでいた。