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パイルの貼り絵で花や風景~北浦さん初個展
郷土・高野口のパイルを素材にした貼り絵芸術、「北浦千里(ちさと)パイルコラージュ展」が、6月15日、和歌山県かつらぎ町妙寺126の37、「Nojiギャラリー&カフェ~野路~」で始まった。6月19日まで。入場無料。
北浦さんは、かつらぎ町丁ノ町在住で、約15年前から、パイルコラージュ創始者の西村悟桐さん(同県九度山町)に師事。下絵を描き、パイル地をハサミで切り、色違いのパイル地を刻み、欲しい色を出し、パイル地の毛をカットして整え、下絵に沿って貼っていく。当初は、色紙大の作品だった。
今は西村さんの弟子7人が橋本市高野口公民館で制作活動。北浦さんは、全国各地を旅行した際、気に入った風景や花などをカメラで撮影したり、スケッチしたり。それを基にして、かつて見た心象風景も含めて、下絵を描き、30号程度の作品に仕上げている。
ギャラリーには、これまでの作品約300点の中から、色紙大~30号の40点を展示した。これまで、高野口町の橋本市IT地域交流センター「裁ち寄り処」などでグループ展を開いたことはあるが、個展は初めて。それでも、会場はたちまち満員状態の人気ぶり。
女性的といわれる白山の雪嶺とすその緑を表した「春を呼ぶ白山」や、全山春らんまんに満ちた「吉野の桜」など、それぞれに、自然への憧憬の深さを感じさせる作品ぞろい。
とくに、紫の長い花房をたれた「ふじ」を眺めていると、その額のガラスに映る、背後の壁の幾つかの作品や、鑑賞する人たちの影…。ふしぎな心地に迷い込む。北浦さんは「とても素敵な芸術なので、ぜひ、多くの人たちが、パイルコラージュに親しんでほしい」と話した。
北浦さんら7人が、講師なしで、お互いに研鑽を積んでいる「パイルコラージュ教室」は、毎月第2、第4金曜日の午後1時半~同4時、高野口公民館で開講している。会費は月500円。