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紀ノ川「恋野橋」架け替え~住民の悲願実現へ
車同士がぎりぎりにすれ違い、ドラバから怖がられている、歌山県橋本市の紀ノ川に架かる「恋野橋」が、架け替えられることになった。県が1月から実施していた図上調査を最近済ませ、新橋の事業費は来年度予算に計上される予定という。地元の人たちでつくる「恋野橋架け替え促進委員会」(辻本賢三委員長)は、これでドライバーの恐怖がなくなるだけでなく、紀ノ川流域の人々の往来が活発になり、経済活性化につながるとして喜んでいる。
同委員会の話によると、既設の恋野橋(県道山内恋野線)は、長さ約180メートル、幅約5メートル(歩道付き)で、大型トラックが進入すると、他の車はすべて進入口で待避している。普通車が対向する場合も、ドライバーは衝突、接触しないかと、ひやひや運転している状態。
ところが今度は、同橋になるべく近い上流で架橋し、幅は7メートル(上下各1車線、歩道付き)とする予定。また、既設の橋は傾斜していて、南詰め部分で約2メートル低いが、これを平行にする。さらに、現在は、橋が狭すぎるため、橋の南詰めの県道橋本五條線との交差点に信号機をつけられないが、今度は信号機を設置。恋野地区では初めての信号機ができることになる。総事業費は約8億円になりそう。
橋本地方は安土桃山時代、応其上人が紀ノ川に高野山参詣の橋を架け、塩市を開き、水運活発になり、宿場町・商都として発展。そこから「橋本」という地名がついた「橋」の大切なまち。すでに架けられている橋本橋や橋本高野橋につづいて、悲願がかなうことになり、両岸の流域住民の喜びは計り知れない。辻本委員長は「新しい橋は、交通安全、便利な生活、観光・経済の浮揚など、すべてに効果をもたらします」と笑顔で語った。