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南極の氷の神秘的な音~児童ら胸ときめかせ
「わぁっ、不思議な音がするぅ」~第52次南極地域観測の砕氷艦「しらせ」が、南極から持ち帰った氷が5月10日、自衛隊和歌山地方本部橋本地域事務所から、橋本市恋野の市立恋野小学校(79人)と、市立恋野幼稚園(13人)にプレゼントされた。
砕氷艦「しらせ」は、昨年11月に東京を出航し、元日に南極基地に到着。物資を降ろした後、氷を切り取り、4月5日に東京に帰港した。
この日、採取した氷のうち1キログラムが、恋野小学校の体育館に運ばれた。岩下善信所長(陸曹長)が「南極では積雪が、自らの重みで固まり、富士山より高い氷になっている。この氷は、掘った深さから考えて、約3万年前のもので、中に見える白い泡状の粒々は、その時の空気が閉じ込められたものです」と説明。さらに「南極の氷が全部解けたら、海面が60~70メートル上昇し、この小学校も幼稚園も海底に沈みます。ですから、皆さんは地球温暖化しないように、節電やごみ減量化などに取り組んでいます」と話した。
テーブルには「南極の氷」と「ふつうの氷」が置かれ、子どもたちは順番に、氷に手で触れたり、耳を当てて音を聴いたりした。南極の氷からは、プチプチという神秘的な音が聞こえてきて、「わぁっ、聞こえるぅ」と大喜び。宮井利明校長は「きょうは南極のことをよく学べたし、南極の氷に直接触れた、この不思議な体験は、将来、きっと役に立つことでしょう」と話した。
橋本防衛協会の阪口繁昭会長は「これまで自衛隊に要請し、快く氷を贈ってもらいました。順次、市内の小学・幼稚園を回り、今年で7回目になります。いい勉強になると思うので、今後も続けていきます」と話した。
更新日:2011年5月10日 火曜日 14:04