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鮮やか新緑の山川~黄砂消え、橋本・伊都地方
万緑の口あけてなく雀かな (水津順風)
5月7日の和歌山県橋本・伊都地方は、多少の雲を空に、朝から晴れ上がり、2日以降続いていた大陸の黄砂が、やっと消えて、山々の新緑が一段と鮮明に視界に広がった。
同県九度山町慈尊院の高台にある高野紙伝承館「紙遊苑」の庭には、深紅の牡丹や紫の菖蒲が、初夏の彩りを放っている。庭から東北を見渡すと、紀ノ川の北岸には和泉葛城山系の山々、南岸には国城山系の山々、さらに遥か彼方には、大和の山々までがはっきりと見えた。
なだらかに大和から和歌山へ下り、大きくうねりながら流れる紀ノ川。その堤防の草も、中洲の木々も、川に沿う山並みも、すべて青さを増して、文字通り「万緑」の世界。雀たちは小さな胸をふくらませ、心ゆくまでさえずっている。
一方、まちに降りると、どの洗車場も、黄砂でよごれた車の列が続き、旧家の庭やマンションのベランダには、たまっていた洗濯物が干され、これもまた薫風にひるがえっていた。
更新日:2011年5月7日 土曜日 19:47