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魅力、花見の熊さんの後姿…趣味の作品展
日常生活の中で、こつこつ作り上げたパッチワークや吊雛(つりびな)などを見てもらう「椎出 趣味の作品展」が25日、和歌山県九度山町九度山の九度山児童館で始まった。作品はいずれも丹精込めた傑作ぞろいで、訪れる人たちを魅了している。開館時間は午前10~午後4時。入場は無料。
出展しているのは、高野山麓の山あいで、「椎出 鬼の舞」で名高い同町椎出の20~80代の男女18人。いずれも各家庭などで制作したパッチワーク、吊雛、押し花、写真、人形、トールペット、紀州手毬(てまり)、仏画、陶器、書、アートフラワーなど約200点にのぼる。
唯見静子さんのパッチワーク「はっぴー くまさん 12」は、1月「神楽」2月「バレンタインデー」3月「ひな祭り」4月「花見」5月「鯉幟」6月「梅雨」7月「七夕」8月「海水浴」9月「お月見」10月「ハロウィン」11月「秋の夜長」12月「クリスマス」と、まるで歳時記のように季節の彩りを織り成した作品。すべて熊(くま)が登場し、とくに花見や、お月見をする、くまさん2匹のうしろ姿、威勢よく鯉幟にまたがるくまさんなどが、ほのぼのとかわいい雰囲気でいっぱい。
また、野崎美千子さんの吊雛は、手毬やタケノコ、魚などが、一つ一つ紐(ひも)にぶら下がり、夢を見ているような美しさ。唯見さんは「パッチワークは、最高に楽しいです」と笑い、野崎さんも「吊雛を家に飾ると、明るい気分になります」と、生き生き話した。
この作品展は、同町内で5月5日まで繰り広げられている「町家(まちや)の人形めぐり」(九度山住民クラブ主催)の協賛行事で、今年で2回目の開催。「椎出鬼の舞保存会」会長で、この作品展の世話役でもある河合達哉さんは、「家庭で趣味を楽しむのもいいが、みなさんに見てもらうと、もっと楽しいのでは、と地元の人たちに呼びかけたら、こんなに大勢が出品することに。作る人も見る人も、活気があってうれしい」と話した。