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うまい桃にと摘花盛ん、かつらぎ町の農家
桃の本場、和歌山県かつらぎ町で、桃の花が満開になり、いま「摘花」の真っ最中だ。東日本大震災で、全国屈指の桃の産地・福島県の桃畑も大被害を受けており、同町兄井の農業・京川雅幸さんは、「現地は大変とは思いますが、私たちはただ粛々と、いい桃をつくることです」と、作業に汗を流していた。
桃の花は、とくに紀ノ川の河南道路わきの桃畑で、ピンクのじゅうたんを敷いたように美しい。「桜もいいが、桃もまたいい」と、堤防や、山々で、弁当持参の「桃花見物」をする家族連れや若いグループもいる。
京川さんの話では、今年は寒い日々が続いたので、開花は例年より1週間遅れとなった。「摘花」のあと、4月下旬から「摘果」を行い、木の力を強めながら、一つ一つ、甘くて、おいしい桃を実らせる。6月20日ごろから収穫し、橋本市のファーマーズマーケット「やっちょん広場」や、地元の撰果場を通じて、関西一円や東京方面に出荷するという。
京川さんは、桃のほかに、柿やみかんも栽培しているが、「桃の産地、福島県が大被害を受けているので、消費者、農家、いずれの立場から見ても、柿やみかんなど、他の果物を含めて、影響を受けるでしょう。私たちは、ただ懸命に、いい果実をつくります」と、作業を続けた。
また、「例のチェルノブイリ原発事故の際には、『柿の渋が放射線物質を吸着する』ということを聞きました。当地方は柿の本場です。専門機関でその真偽を調査し、実際そうであるなら、協力もしたいし、役立つのではないでしょうか」と強調していた。
更新日:2011年4月10日 日曜日 16:09