ニュース & 話題
幻のごぼうの味~珍品のあられ発売 紀州橋本
江戸時代から和歌山県橋本市で栽培されていたという〝幻のごぼう〟を使った珍しい「はたごんぼあられ」(缶入り)が、今春、橋本商工会議所から発売され、贈答用品として人気を呼びそうだ。同県岩出市岡田の株式会社「高砂アラレ」の増田充裕社長が、自ら〝幻のごぼう〟を栽培し、加工した逸品で、同商工会議所の岸田俊規専務は「こぼうの風味が素晴らしいですよ」とPRしている。
地元では、「こぼう」を「ごんぼ」と呼び、畑ごんぼは、長さ約1メートル、直径約10センチもある大きなもの。健康的な粘りや、香りが消費者に好まれる。江戸期から橋本市西畑地区の特産物として栽培され、一時、途絶えていたが、地域づくりに取り組む「プロムナード国城」(徳田勝治代表)が、体験型事業「ごんぼ遊び塾」を設けて、経験豊富な高齢者の指導で、「幻の畑ごんぼ」を復活させた。
増田社長も熟生の1人で、自らも1区画で栽培。これまで自社工場で製造してきた「ごぼうあられ」も、人気があるので、昨年春、袋入りの「はたごんぼあられ」(90グラム入り1袋300円)を発売した。橋本商工会館での「こんなんでました市」や、ファーマーズマーケット「やっちょん広場」の「柿まつり」などのイベントに置いたところ、「おいしい」「缶入りはありませんか」などと、問い合わせが相ついだ。そこで、今回は、贈答用にも使える1缶2000円(税込み)の商品を考案。四角い缶の表に「はたごんぼあられ 紀州橋本=印」と美しく表示し、○の中に「ご」の文字を入れ、「高野山麓 紀ノ川畔」と書いたシールで飾った。その中に「はたごんぼあられ」1袋50グラム入り8袋を、和紙に包んで収めた。材料の「はたごんぼ」については、増田社長と友人(塾生)が、丹精込めて栽培したものを使ったという。
岸田専務は「今のところ、当会議所のホームページで、注文をいただき、製造・販売する形をとっています。袋をあけた瞬間、ふわっと、ごぼうの香りがする、すてきなあられ。中元、歳暮時期が楽しみです」と言っている。