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浦安の舞・奉納♪寳來山神社・正遷宮~すべて綺麗に
奈良・平安時代の貴族・和気清麻呂(わけのきよまろ)公が勧請(かんじょう)したと伝わる和歌山県かつらぎ町萩原56の寶來山(ほうらいさん)神社で、快晴の10月15日、約20年に1度の「正遷宮奉祝祭(しょうせんぐうほうしゅくさい)」が営まれた。
社伝によると同神社は、和気清麻呂公が八幡宮を勧請(かんじょう)し、光仁天皇の寶亀年間(770~780)に創建された古社。今回、神社の大々的な修復・造営事業が行われ、朱塗りの本殿4棟(国重要文化財)と、その両側に建つ脇社殿2棟(県指定文化財)の檜皮(ひわだ)屋根葺き替え、朱塗り塗装をはじめ、幣殿(へいでん)や両部鳥居(りょうぶとりい)、玉垣などを修復。社務所、小宮5社、木製灯籠(とうろう)21基、手水舎(ちょうずしゃ)、男女トイレ計4器、駐車場(19台)を新造した。
この日、国会議員、県議、行政、氏子総代、地元区長、造営委員、造営業者ら約300人が参集。「修祓(しゅうばつ)の儀」で心身を清めた後、本殿の「開扉(かいひ)の儀」、米、酒、餅、野菜などを供える「献饌(けんせん)の儀」が進められ、森宮司や神社庁の神官らが祝詞(のりと)を奏上して祝祭。笠田中学校の女生徒7人が巫女姿で拝殿に登場。神々しく「浦安の舞」を奉納した。
同神社御造営委員会の島元昌延(しまもと・まさのぶ)会長は「この神社は氏子の心の拠りどころで、国、県、町の重要な財産であり、必ず御守りしたい」と誓い、森和弘(もり・かずひろ)宮司は「社殿を改めて神を敬うことは、日本文化と祖国の安寧につながります」と奉仕の心を訴え、多くの寄進・造営関係者に謝辞。かつらぎ町出身の門博文(かど・ひろふみ)衆議院議員は「ここは京奈和自動車道のかつらぎ西ICの近くで、間もなく国道も大阪とつながる。寳來山神社には、大阪はもちろん世界中から、参拝・観光客が訪れます」と、力強い祝辞を述べた。
最後に紅白幕に囲われた朱塗りの特設舞台で「和歌山雅楽会」の12人が雅楽・舞楽を奉納。いかつい面をかむり、朱色の衣装に身を包んだ陵王(りょうおう)が、雅楽「越殿楽(えてんらく)」の曲に合わせて舞楽を披露すると、いにしえの優雅さが満ち溢れ、参賀者から拍手が起きていた。
翌16日(日)には恒例の「寳來山神社・秋祭り」がある。正午には七福神を乗せた宝船がJR和歌山線・笠田駅前を出発。約1・5キロメートル先の同神社まで、旧大和街道を引綱で曳航(えいこう)。その後ろに稚児行列、さらに地元女性たちが、踊って練り歩くことになる。森宮司は「古き良き時代を感じさせる秋祭り。ぜひ、ご覧ください」と言っている。
同神社は京奈和自動車道・かつらぎ西ICから車で南西方向へ約5分のところ。写真(上)は寳來山神社拝殿で「浦安の舞」を披露する笠田中学校の女生徒たち。写真(中)は沢山の参賀者に挨拶する森和弘宮司。写真(下)は寳來山神社の特設舞台で披露される和歌山雅楽会による雅楽・舞楽奉納。