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客人も喜ぶ店舗&離れ座敷♪修復完了みそや呉服店

和歌山県橋本市橋本の明治建築である京風・町家の老舗(しにせ)「みそや呉服店」(国の登録有形文化財)旧本館が修復工事を終え、4月18日、報道陣に公開された建物内部は、まさに明治時代の商家の佇(たたず)まいが見事再現されていて、谷口善志郎(たにぐち・よしお)社長も「保存できて良かった」と笑顔を見せていた。
谷口社長の案内によると、旧本館(母屋・離れ座敷・上蔵・下蔵)の屋根は、上空から見ると「コ」の字形で、道路に面して店舗、奥は居室、これを通り土間でつないでいる。客人は店舗から通り土間を抜け、いったん外気に触れたあと、離れ座敷に通される仕組み。
店舗は鉄と木で作られた鎧戸(よろいど)で開け閉め。内部には広い土間と框(あがりがまち)に畳。長らく土間だけになっていたが、今回、畳敷きに復元され、昔通り「座売り」が可能となった。
通り土間は、綺麗な緑石が敷き詰められ、天井は2階まで吹き抜け。新築当時から約20年間使われてきた明治のランプが吊るされ、高所にある明かり取りの障子窓は、下から紐(ひも)を引いて開け閉めする仕組み。
ここを通り過ぎると、左側に下蔵、その隣に明治のタイル張り風呂、軒先には火消し桶(おけ)が幾つもぶら下がる。離れ座敷と上蔵はその右手にあり、廊下に出ると高さ3メートル余りもある石灯籠(とうろう)の中庭や、母屋の窓や屋根の煙出しが仰げる。上蔵は扉を閉めると、火災にもびくともしない頑丈ぶり。
旧本館には、明治17年(1884)の棟札(むねふだ)=谷口社長の曽祖父・谷口保次郎(やすじろう)さんと京都2人、橋本1人の大工棟梁を記名=や、保次郎さんのガラス湿板写真が残されている。
谷口社長は、橋本駅前の中心市街地再開発事業に際し、「少しでも街の歴史を伝承しよう」と、橋本の基礎を築いた木喰応其(もくじきおうご)上人を祀る応其寺周辺で、小学生に街の歴史を説明。また、撤去される家々の資料を収集し、修復前の旧本館に〝橋本まちかど博物館〟を設けて、展示してきた。
谷口社長は「今回、すでに完成済みの筋向いの火伏医院(国の有形登録文化財)に次いで、当館も保存・修復することができました。本来の場所で営業する一方、皆さまに喜ばれるよう、オープンハウス、イベントスペースにも活用したい」と話していた。
写真(上)は修復された「みそや呉服店」旧本館の玄関付近。写真(中)は明治時代に旧本館を新築した谷口保次郎さん。写真(下)上蔵前から見える母屋の煙出しや内庭の大灯籠。

更新日:2017年4月19日 水曜日 00:09

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