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蕎麦(そば)遊び塾や漢字学習会「まづくり」に挑む 紀見サポート-クラブ(浅井徹理事長73、会員10人)
橋本市北部は、大阪の巨大ベッドタウンだ。約30年前から宅地開発され、いわゆる「団塊の世代」が、マイホームを建てたり、高層分譲マンションを買ったり。大勢のサラリーマンが、新しくできた南海高野線・林間田園都市駅などから、大阪方面へ通勤してきた。ところが、今は、その団塊の世代も、定年退職し、改めてマイホームで、人生の再出発を迎えている。この時代を先に見据えたのが、やはり、新市街地・城山台に住む浅井代表だった。2005年7月8日にNPO法人「紀見サポートクラブ」を旗揚げした。「新市街地では住民同士のコミュニケーションが少なく、地域の連帯感が薄れ、このままでは、まちは衰退するばかり。何とかしなければ…」という思いからだった。
その「まちづくり」への挑戦は多彩だ。城山小学校で毎月1回「漢字学習会」を開いて、放課後の児童らに漢字を教える。児童の登下校時には「見守り活動」や「あいさつ運動」を続ける。同市教育文化会館では、韓国映画ブームで希望の多い韓国語講座を開いた。また、かつらぎ町天野では「そば遊び塾」を開いて、蕎麦(そば)を栽培、蕎麦打ちをし、市内西畑の「プロムナード国城」では、名産の「畑ごんぼ」を植え、収穫して創作料理をし、地元の人たちと一緒に味わった。市内の「嵯峨谷の神踊り」や「玉川峡の48石」見学では、地元の人たちと親しく交流。大阪、奈良、和歌山の3府県境の尾根伝い「ダイヤモンドトレール」のハイキングや、京都・伏見の酒蔵、宇治の平等院バスツアーでは、住民同士が参加して、コミュニケーションを深めた。
その活動ぶりを、市民に知ってもらう広報紙は、年1回3000部を発行。うち1600部を新市街地に配布し、残りを旧市街地に回覧。「まちづくり協働で」と呼びかけてきた。今年も「恋野中将姫伝説」「「高野街道」「隅田一族、岩倉城」探訪ツアーなどについて、実施団体をサポートする予定だ。浅井代表は、「今後は橋本・伊都地域の観光資源を生かし、着地型観光を促進して、まちの経済活性化を図りたい。団塊の世代には、いろんな経験の持ち主がおられる。ぜひ、わたしたちとともに『まちづくり』に参画してほしい」と話した。入会、退会は自由。入会費は不要だが、年会費は1人3000円。事務局は橋本市城山台1丁6の6、篠原淳夫さん。電話0736・36・0629)。
(2011年3月11日 曽我一豊)