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黒河道「地蔵石仏」御守りに♪キーホルダーなど発売

世界遺産・高野山参詣道の「黒河道(くろこみち)」維持活動に働いている和歌山県橋本市賢堂の「黒河の会」が、黒河道に祀られた室町時代の「地蔵石仏(じぞうせきぶつ)」をあしらった木製キーホルダー、ストラップ、栞(しおり)の3種類のオリジナル土産品を発売した。「黒河の会」の山本一清(やまもと・かずきよ)会長は「黒河道の世界遺産・追加登録を記念して、郷土の工芸社に逸品を作ってもらいました。多くの参詣の方々の〝心温まる御守り〟になってくれれば」と話している。
この地蔵石仏は、高さ84センチ、幅40センチ、厚さ19・2センチの大きさ。地蔵尊はかなり風化しているが、左手に宝珠(ほうじゅ)、右手に錫杖(しゃくじょう)を持ち、必ず願意を叶えてくれそうな表情。
石には「香舂峠(こつぎとうげ) 永正(えいしょう) 壬申(じんしん) 九年(1512)八月廿二日 検校重任(けんぎょうちょうにん)」と刻まれている。
「検校」は当時の高野山の最高位の高僧、「重任」は高僧の名前。香舂(こつぎ=子継)とは、安産・子育ての意味で、この石仏が黒河道と高野山・女人道との合流地点「こつぎ峠」の祠(ほこら)に祀られたことから、名付けられたらしく、地蔵尊に峠の地名が刻まれているのは全国でも珍しい。
平成16年(2004)に「紀伊山地の霊場と参詣道」が世界遺産に登録された後、「黒河道」の追加登録を目指して高野山の歴史家が調査。この地蔵尊の存在により、黒河道の歴史的価値が認められたという。
今回、発売されたキーホルダーは、高野ヒノキの薄板(長さ7・2センチ、幅4・5センチ、厚さ5ミリ)、ストラップは高野杉の薄板(長さ6・5センチ、幅3・9センチ、厚さ5ミリ)、栞は高野杉の薄板(長さ11センチ、幅4・5センチ、厚さ0・2ミリ)に工作。
そこに「世界遺産 黒河道 子継峠」と表わし、「黒河道」の文字は、弘法大師・空海・筆の国宝「聾瞽指帰(ろうこしいき)」の書体で記した。地蔵尊に刻まれた「香舂峠 永正 壬申 九年八月廿二日 検校重任」については、そのままの筆跡を写している。
いずれも、オリジナル土産品で、黒河道入口の高野山真言宗・定福寺(橋本市賢堂)で開催中の「什物法物(じゅうもつほうもつ)展・十三仏(じゅうさんぶつ)奉納記帳」の庫裏(くり)や、JR・南海橋本駅前の「はしもと広域観光案内所」、同市北宿の玉川峡の温泉宿泊施設「やどり温泉いやしの湯」に出品・販売している。キーホルダーとストラップは1個700円、栞1枚500円。
3種類の土産品を作った大弥工芸の奥村社長は「高野山・金剛峯寺のご理解をいただき、黒河道の世界遺産・追加登録記念して、国家安泰、家内安全、安産・子育てを祈り、丹精込めました」と話していた。
写真(上、下)は黒河道の石彫・地蔵菩薩像をあしらった薄板製・キーホルダー、ストラップ、栞の土産品。写真(中)は子継峠に立つ室町時代中期の石彫・地蔵菩薩像。


更新日:2016年11月13日 日曜日 00:00

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