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「大地震の所へお金送ってね」橋本の銭湯で坊や

橋本市の銭湯で           

裸ん坊「じっちゃん(おじいさん)、そことちがうよ」

ムーミン顔「おお、洗面具、おいてあるね」

裸ん坊「そうそう、こっちがあいてる」

ムーミン爺「ありがとう」

せわ好き爺「坊や、そこの掛け湯、いきなり熱いのん、出てくるよ」

裸ん坊「あっそう、じっちゃん、ここのお湯、熱いのん出てくるって。気いつけてね」

銭湯の脱衣場で

裸ん坊「おっちゃん、いくつ?」

せわ好き爺「いくつに見える」

裸ん坊「45歳」

せわ好き爺「ええっ、そんなに見える。うれしいねえ」

裸ん坊「体重は? 50キロぐらい?」

せわ好き爺「そこの体重計で、計ってみよか」

裸ん坊「ねえ、ねえ、どんだけあった?」

せわ好き爺「もう服を着てるからね。70キロあるわ」

裸ん坊「ふーん、ちょっと重たいね。でもね、ここのお風呂、気持ちよかったなぁ」

せわ好き爺「そうか、ええ風呂やろ。しかしなあ、きょうのお湯、いつもより、1度か2度低いよ」

裸ん坊「あっそう、お客さんが、熱がらないように、ここの人、やさしいんやね」

せわ好き爺「ええっ? そうそう、やさしいんや、やさしいんや」

裸ん坊「大きな地震と津波で、困っている人にも、お金とか、食べ物とか、何か送ってるよね、きっと」

世話好き爺「おおっ、そうそう、おっちゃんも、何か送るわ。そんなら、坊や、お先にね…」

裸ん坊「そこのおっちゃん、頭かわかしてんのん?」

発信機「はい、そうですよ」

裸ん坊「おっちゃん、若いときは、イケメンやった?」

発信機「うーん、たいしたことないね。しかし、みんなから、どう見られとったのかなあ」

裸ん坊「鏡に映ってるおっちゃん、イケメンやん。イケメン、イケメン…」

発信機「ありがとう。うそでも、うれしいなあ。何かあげたいけど、何もないよ」

裸ん坊「ぼくは、何もいらないよ。その代わり、大地震のあったところへ、送ってほしいなあ」

発信機「はーい、わかりました。坊や、やさしいね」

裸ん坊「じっちゃん、どうしたのかな。まだ、出てこないよ。じっちゃーん、表で、ばっちゃん(おばあちゃん)と、母さんと、待ってるからね。おっちゃん、バイ、バーイ」


更新日:2011年3月19日 土曜日 16:11

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