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木下善之・和歌山県橋本市長「元気なまちづくり」に取り組む

    「元気なまちづくり」について語る木下市長
    「元気なまちづくり」について語る木下市長

曽我「木下市長は2005年6月、県会議員から市長選に転戦して初当選されました。その翌年、旧橋本市と旧高野口町が合併。4月に行われた新市の市長選では無投票当選。昨年4月には選挙戦となり、見事、再選を果たしました。この間、約6年。市長として難しい行政の指揮棒を振ってこられ、今も課題解決に取り組んでいるわけですが、橋本を良くするために何を考え、何をし、何をしようとされているのか、とくに重要なものについて教えてください」

木下市長「何といっても、一番大事なことは、市民が安心安全に暮らせるまちづくりですよ」

曽我「大地震、暴風雨、いつ、大災害が襲ってくるかわかりませんね」

木下市長「そうです。そこで、まず、市内全域に防災行政デジタル無線の小基地局を126か所に設置しました。普段は、それぞれの地域で、登下校時の小学生を見守る広報活動や、行方不明者の捜索などに使っています。しかし、この無線は、いざ災害という場合には、たとえ他の通信が途絶えても、ほとんど大丈夫だし、市民の避難誘導などにフル活用できます。また、各地区で住民による自主防災会も立ち上げ、繰り返し防災訓練を実施。行政としても水や食料、毛布、シートなどを備蓄し、万が一の場合に備えています。さらに滋賀県八洲市や三重県名張市とは『防災協定』(広域災害ネットワーク・相互応援協定)を締結。災害時には、被災を免れた市から被災地へ、人員を派遣したり、食料などの物資を輸送したりします。相互応援相手が、隣接の大阪府河内長野市や奈良県五條市でないのは、近すぎると一緒に被災地になる危険性が高く、いずれも救援を待つ立場に陥ってしまいます。そこで、あえて、少し遠隔地にしたわけです」

曽我「そのためには、交通基盤、交通ルートの確保が大切ですね」

木下市長「そうですよ。去年でしたか、豪雨で紀見トンネル(大阪、和歌山府県境)の大阪側(河内長野市)の山が崩落し、橋本~大阪をつなぐ国道371号が長い間、交通不能に陥りました。こんな場合でも、ここがだめなら、別のルートがあるといった、いつでも迂回できる道路があるようにしないといけません。国道371号バイパス道路の早期完成や、県道、市道の整備が急がれるわけですよ」

曽我「この実現には、大阪の橋下知事の協力が望まれますね」

木下市長「そうです。一所懸命、お願いしています。これは橋本の長年の悲願ですよ。さて、市民の安心安全には、医療の充実も大切です。橋本市民病院の運営状態は、当初に比べてかなり良くなってきたので、この際、独立採算の『医療法人』に切り替えたいと考えています。いまは患者10人に対し看護士1人が任務にあたっていますが、これでは、看護士一人当たり、担当する患者数が多すぎて、患者も不安、看護士も過労で、皆へとへとです。今後は『患者7人に看護士1人の割合に』という提案に対し、患者さんも病院側も『それはいい』という意見が大多数でした。そこで、13年4月1日の医療法人化を目指し、現在、実現に向けて、知恵をしぼり、複雑な事務手続きなどに取り組んでいます」

曽我「自治体病院はどこも大赤字で廃止続きです。市民病院は県北部の拠点病院ですから、ぜひ、経営の安定を図り、市民の健康と命を守ってください」

木下市長「さて、市民病院近くに建設中の北消防署は、8月末に完成します。10月1日には、ハシゴ車1台、消防車2台、救急車1台、署員16人体制でスタートします。市北部は県内1の巨大ベッドタウン、巨大新興住宅地です。それに企業誘致のための広大な土地『紀北エコヒルズ』もある。既存の市役所前の市消防本部よりも、もちろん現地到着、初動消火が素早くできる。それに企業誘致政策にとっても、近くに『病院プラス消防』があることが好条件なわけです。建設費に約1億8千万円、毎年、人件費を含めて維持費に1億円以上はかかるでしょう。しかし、市民の安心安全には欠かせませんよ」

曽我「さて、どこを見回しても、長引く不況風。ご苦労とは思いますが、行政としてはどうします」

木下市長「元気な人、まちづくり。とても大事です。もちろん既存の商工、農林業は大切ですが、今は、長い目で見て、これしかないと、企業誘致を柱にしています。最近は人口がどんどん減る一方でしょう。これを何とか増やせないものか。『会社も工場もぜひ橋本へ』と、精力的に駆けずり回った結果、16社と進出協定を結ぶことができました。うち、すでに7社が操業し、80人以上の地元雇用が実現しています。私は今後も毎年5社を誘致したいと宣言しています」

曽我「すごい気迫ですね」

木下市長「いやいや、本当はもっと沢山、企業を呼んで来たい。数年前、東京周辺に在住、勤務する橋本市出身者で『東京橋本会』を結成しました。会員120人の中には、大会社の重役や部課長級、大学准教授など、各界の重鎮や、将来性ある人たちが大勢います。企業誘致などの市行政には、いろいろと、お知恵を拝借、尽力いただいています」

曽我「ふるさとを思う人たちの応援、本当にうれしいですね」

木下市長「そう、感謝しています。力強い限りです。また、企業誘致以外に、大きな事業は、国保橋本市民病院跡に建設する『保健福祉センター』ですね。いよいよ今年7月、総事業費約22億円をかけて着工。来年12月完成予定です。ここには市の保健福祉の関係課や、伊都医師会、休日急患センター、社会福祉協議会、母子健康センターなどが入る。駐車場は220台収容できます」

曽我「なるほど。個々に散在している健康福祉に関する施設は、ここ一か所に集結する。健康福祉に関する要件はここへ来れば、ほとんど一気に済むわけですね」

木下市長「そうです。ですから、市民の交通手段が大切になります。そこで、このセンターを終着駅にしたコミュニティーバスを1台増やし、合計3台にしたいと思っています。最近は大勢が利用するようになり、積み残しも増えているので、今度は少し大きいバスにしたい。また、乗車料金についても、障害者と高齢者は無料にしたいと考えています。とにかく皆さん、ここにやってきて、健康のために必要な場所に行く。訪れた人々が活発に交流する、テレビを見て歓談する、トレーニングセンターで体力をつける。とにかく皆さん、元気になってほしいんですよ」

曽我「わかりました。次回も、いろんな行政課題と、その取り組みを教えてください」

(2011年3月1日 曽我一豊)

更新日:2011年2月14日 月曜日 19:50

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