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葛城修験と粉河寺学ぶ♡高野七口学で大河内氏講演

修験道の開祖・役小角(えんのおづぬ)ゆかりの「葛城修験」が日本遺産に認定されて約5か月――。和歌山県立博物館の大河内智之(おおこうち・ともゆき)主任学芸員は11月7日、橋本市民会館で「葛城修験と粉河寺」と題して講演した。
高野七口再生保存会主催の「高野七口学」の一環で、手指消毒、マスク掛け、3密注意により約40人が受講。大河内・主任学芸員は、スクリーンに修験風景などを紹介しながら、わかり易く解説した。
例えば「葛城修験」とは、神聖な山岳信仰に仏教(密教)などを交えた日本独特の宗教で、修験者たちは葛城山系(和泉山脈・金剛山地)を巡った。
その主行場は法華経28品に対応する28経塚で、険しい山道を歩くことが、法華経を「持ち」「読み」「唱え」「理解し」「書き写す」ことと同じ意義があるとした。
また、紀の川市にある天台宗系の粉河観音宗総本山・粉河寺の国宝「粉河寺縁起」(全長約20メートル)について、「観音の化身である童行者が、長者の娘の病気を治した」という霊験譚(れいげんたん)などを紹介。
約2キロ北方の中津川の行者堂に祀られた阿弥陀三尊像から、かつて粉河寺の念仏拠点だったことや、今も修験者の碑伝(ひで)や護摩札(ごまふだ)が伝わることから、修験拠点だったと考えられることなどを話した。
橋本市内でも、葛城神社(柱本)や西ノ行者堂(柱本)、小峯寺(小峰台)などが日本遺産に認定された。受講者らは、険しくも神聖な山々で修行に挑んだ葛城修験の生き方や、歴史の奥深さを噛みしめた様子だった。
この日の講演内容は、11月14日(土)午後1時30分から、橋本・伊都の地域放送局「FMはしもと」で放送される予定。県立博物館では、創建1250年記念特別展「国宝粉河寺縁起と粉河寺の歴史」(〜11月23日)を開催中である。
写真(上)は「葛城修験と粉河寺」を講演する大河内・主任学芸員。写真(中)はスクリーンに紹介された修験道の開祖・役小角。写真(下)は国宝粉河寺縁起=県立博物館のチラシより。


更新日:2020年11月8日 日曜日 00:03

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