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高野山・葛西座主管長の願文!病魔退散・殃死者供養

和歌山県高野町の高野山真言宗総本山・金剛峯寺は5月3日、壇上伽藍の金堂・根本大塔で「新型感染症物故者追悼・新型感染早期終息祈願」を営んだ。以下は、葛西光義(かっさい・こうぎ)座主・管長の「病魔退散・殃死者(おうししゃ)供養法要願文」=奏上・添田隆昭(そえだ・りゅうしょう)宗務総長。
「世は平和に似て 平和に非ず 退廃の風に次第に蕩散(とうさん)す 生は安静に似て 安静に非ず 忽忙(こつぼう)の波に漸次(ぜんじ)に消失す 俗世の皮相(ひそう)に惑わされ、泰平の姿に酔わんとするは 累卵(るいらん)に座すより愚かなり。
今 天下大疫(たいえき)す 病魔 その性 明かならずして普天率土(ふてんそつと)を覆い 悪疾 老若男女を選ばす 肺腑を襲う 薬効未だ現れず 病床に施術空しく 死屍累々(ししるいるい)として 路上に満ち 哀哭(あいこく)耳をつんざく 一国の皇太子 総理すら病床に伏し 著名の芸人 運動選手又病に倒る 遂に感染する者200万余 死亡する者10万を越え 収まる所を知らず 物心の混乱激甚にして 空前の修羅場を現ず 
抑(そもそ)も 如来は是人(これひと)の父 菩薩は即ち民の母なり 吾が子の病 癒えざれば 父母何を以てか安んぜん 病子 夥(おびただ)しくして 医薬遑(いとま)あらず 薬針治すること能わざれば 諸仏菩薩の威神力を頼まずんばあるべからず
 宗祖大師の宣わく 「虚空尽き 衆生尽き 涅槃尽きなば 吾が願いも尽きなん」と 小衲(しょうのう) 未だ心 俗塵に染むと雖も 宗祖大師の誓願に帰し 是を仰いで 一山大衆を引いて 土砂加持の秘法を修し 般若の真文を誦(しょう)じ 横死者(おうししゃ)の菩提を祈る 光明真言持誦の声 山野に間絶せず 香烟芬馥(こうえんふんぷく)として 入定の大師を驚かす 根本大塔に不動明王を勧請し 全山の龍象を乞うて 病魔の退散を願う 息災護摩の火炎昼夜に接し 妙薬忽ちに現出して 身中の悪疾を駆除す 医師 看護師等の神護を祈るに 智剣 よく魔怨を下す 更には全末寺 全檀信徒の戮力(りくりょく)を願って共に 諸人の四大の不調を癒やさんとす 
感応 未だ審(つまび)らかにせず 己を責めて 肝を爛(ただ)らかすと雖も 本尊薬師如来 将又(はたまた)高祖大師の大慈大悲を頼んで 修羅の魔軍の速やかに砕かれんことを請い奉る
南無本尊薬師瑠璃光如来
南無大師遍照金剛
                   令和2年5月3日」
◇本文・記事は次ページに掲載。
写真(上)は金剛峯寺から蛇腹道を経て壇上伽藍に現れた僧侶の列。写真(中)は壇上伽藍を進む葛西座主・管長=前は添田宗務総長。写真(下)は金堂に向かう葛西座主・管長ら僧侶の列。


更新日:2020年5月4日 月曜日 00:00

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