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日本最古の高野明神立像!九度山町文化財に指定

和歌山県九度山町教育委員会は3月25日、同町九度山の槇尾山明神社(まきおさんみょうじんじゃ)に祀られていた、高野明神立像(こうやみょうじんりゅうぞう)と、白髭明神坐像(しらひげみょうじんざぞう)の木像1件2体について、同町指定文化財に指定したと発表した。
和歌山県立博物館の大河内智之(おおこうち・ともゆき)主査学芸員と九度山町教委が調査の結果、高野明神立像は「日本最古の神像」とわかり、将来は国・県レベルでも貴重な有形文化財として評価されそう。
九度山町教委の山本新平(やまもと・しんぺい)社会教育指導員の説明によると、平成27年(2015)9月に槇尾山明神社で発見。同30年(18)6月、大河内主査学芸員との合同調査で、同立像・坐像の文化財的価値の高さを確認した。
高野明神立像は像高58・6センチ、白髭明神座像は座高18・6センチで、いずれもヒノキの一木造り。その作風から高野明神立像は平安時代後期(11世紀前半)頃の製作で、冠(かんむり)を被り、狩衣(かりぎぬ)をまとい、美しい往時のままの姿。白髭明神座像も同時代(12世紀頃)の製作だが、虫食い損傷などがある。
高野山開創・縁起によると、高野明神とは弘法大師・空海に、愛犬2匹を使って開創地を教えた高野山の地主神=狩場(かりば)明神=のこと。江戸時代の紀伊続風土記(きいしょくふどき)には、槇尾山明神社に高野明神と白髭明神が合祀されていると記載されている。
明治の神社合祀令で、槇尾山明神社も丹生官省符神社に合祀されたが、地域の篤い信仰心に支えられ、この神像2体と社殿は遺されてきた。
地域住民でつくる「明神会」(15人)は同31年(19)3月、この神像2体を「盗難に遭わないように」と県立博物館へ寄託。その代わりに県立和歌山工業高校生や和歌山大学教育学部の学生が、神像レプリカ2体を製作・奉納し、住民らが祈りを奉げている。
大河内・主査学芸員は昨年、生徒・学生たちがレプリカを奉納した際、「初めて発見した瞬間は、本当にびっくり、驚きました。1000年の歴史を誇る、大切な信仰対象です」と力説した。
山本・社会教育指導員は3月25日、伊都振興局で記者団に対し、「この神像は社殿共々、神社合祀令による苦難を乗り越えてきた、貴重な有形文化財、美術工芸品、彫刻です」と話していた。
写真(上)は木造高野明神立像。写真(中)は木造白髭明神坐像。写真(下)は槇尾山明神社(左が本殿)=いずれも「特別展 仏像と神像へのまなざし〜守り伝える人々のいとなみ~」(和歌山県立博物館 編集・発行)より。

更新日:2020年3月26日 木曜日 00:00

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