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ひょっとこや牛飼いに爆笑♪丹生都比売神社の御田祭

和歌山県かつらぎ町上天野の世界遺産・丹生都比売(にうつひめ)神社=丹生晃市(こういち)宮司=で1月19日、平安時代から伝わる「天野の御田祭(おんだまつり)」(県無形民俗文化財)が行われ、町内の男女が狂言形式で「五穀豊穣(ごこくほうじょう)」を祈るユーモラスな神事を披露して、大勢の見物客を爆笑させた。
舞台は朱塗りの楼門(県文化財)内に敷かれたゴザの上で、天野の御田祭保存会の人たちが、農民や牛飼(うしかい)役となり、特別参加した少女2人が早乙女(さおとめ)役として出演した。
先ず、農夫の面や烏帽子(えぼし)をつけた田人(たびと)が鍬(くわ)をかつぎ、牛飼(うしかい)が鋤(すき)をかついで、ひょっこりひょっこり登場。
「一粒万倍(ひとつぶまんばい)」と叫んで豊年万作を祈る「牛飼神事」を行った後、静々と現れた早乙女(さおとめ)に近づき、牛飼と田人が自分のことを棚に上げて、早乙女を褒めたり、けなしたり。やがて早乙女を連れて、みやびやかに御田を舞った。
次にモンペ姿で女装して、ひょっとこ面を被った田ヅ女(たづめ)が、ぎこちない歩き方で登場。田食(たじき)を一箸(ひとはし)ずつ、田人や牛飼、早乙女、見物客に配ってまわる。
その際、田ヅ女は、ぎこちなくお尻を振って見せたり、早乙女の顔を覗き見たりして、滑稽(こっけい)なしぐさを見せると、見物席は思わず爆笑。とくに若い女性たちは、お腹(なか)を抱え続けていた。
御田祭は平安時代、巫女(みこ)2人が「深夜の田植え儀式」を演じていたのが起源。鎌倉時代に「申楽(さるがく)」が加わり、室町時代には狂言形式になり伝承。昭和56年(1981)に県無形民俗文化財に指定されている。
写真(上)はひょっとこ面を被った田ヅ女が早乙女に田食(たじき)を差し上げるシーン。写真(中)は牛を立たせようと必死の牛飼たち。写真(下)は早乙女の前にひざまずく礼の坊の様子。


更新日:2020年1月20日 月曜日 00:00

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