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高野の花たち(227)愛され上手~ムラサキシキブ

ムラサキシキブは、クマツヅラ科ムラサキシキブ属の樹高3メートルにもなる落葉低木。北海道から九州琉球列島まで広く分布し、平地や低山地の林内や林縁のやや湿ったところに自生しています。
若い木の樹皮は淡褐色で滑らかですが、成木になると淡褐色から灰褐色になり、成長とともに縦に割れてはがれます。
葉は巣葉で対生し、長楕円形で長さ6~13センチ、幅2・5~6センチになり、先端は尾状に尖り、縁には細かい鋸歯があります。花は両性花で、6~8月に葉腋からピンクに近い淡い紫色の花を房状につけます。
雄しべは4個、雌しべは1個で、中心から長く突き出しています。花自体はとても小さく、果実は直径3ミリほどの球形で、秋には光沢のある紫色に熟します。紫色の果実が玉のように群がる姿から、タマムラサキ(玉紫)やミムラサキ(実紫)の別名もあります。
紫の実が重なっていることから、ムラサキシキミ(紫重実)と呼ばれ、その音の響きから平安時代の女流作家で源氏物語の作者でもある紫式部を連想して、ムラサキシキブになったというのが名前の由来のようです。
花言葉は「愛され上手」「上品」「聡明」です。私は夏のある日、水音に誘われて高野山の光の滝橋で車を止め、橋下を覗くとこの花が咲いているのに出会いました。
そして11月末に再び光の滝を訪ねると、葉がほとんど落ちて、紫色になった果実をたくさん付けているのを見ました。これから高野山は厳しい冬に入り、実の上に積もった雪景色を見せてくれることでしょう。  (K記)


更新日:2019年12月9日 月曜日 22:09

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