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神仏絵画ほのぼの♪高野山で闘病絵師・本村さん個展

自閉症のため人と話せず、ほとんど視界も失っている、北九州市在住の絵師・本村卓空(もとむら・たっくう)さん(36)筆の神仏・地蔵画を紹介する「祈りの絵画展」が、9月2日、和歌山県高野町の高野山真言宗総本山・金剛峯寺前の高野山ギャラリーで開幕した。
その絵画には、苦しい病いと闘いながら、神仏の加護・救済心まで表現されているようで、父の哲也(てつや)さん(65)は「ぜひ、ご覧ください」と言っている。9月9日(月)まで。鑑賞無料。
本村さんは大学卒業後、自閉症や目の難病を患い、家族以外との会話はできず、視野の96パーセント以上を失った。
24歳の時から自閉症の絵画療法を受け、母で俳人の故・照香(てるか)さん(俳号・吾空=ごくう)の介助により、初めて描いた「地蔵」の絵は色鮮やかで清々しく、抜群の出来映え。さらに26歳から本格的に絵画の製作活動に入った。
今回の「祈りの絵画展」では、これまでの作品約150点の中から、水彩や顔彩で描いた地蔵や仏像の絵画、版画計115点(はがき大~3判)を出展した。
例えば、「見返り地蔵」は白くやさしい顔、彩り豊かな耳飾り、温もりのある合掌の姿。「大日如来」は、光背かがやく蓮華座にすわり、印を結んで微笑む。「十一面観音菩薩」は、頭に苦難の人を見つける面をかざし、俗世に救いの眼差しを向けているなど、心ほのぼのする作品ばかり。
この展覧会は、高野山大学を卒業後、福岡県内の自坊・真言宗大日院に戻っていた長豪隆(ちょう・ごうりゅう)副住職(30)が、地元で本村さんの「大日如来」の絵に出会って感激。
恩師で高野山真言宗総本山・金剛峯寺の添田隆昭(そえだ・りゅうしよう)宗務総長に「卓越した本村さんの絵画を高野山で披露したい」と希望。東京など各地で計約10回の絵画展を重ねて人々に評価され、やっと同展開催が実現したという。
母・照香さんは平成26年(2016)、東京丸の内のMARUZEN本店ギャラリーで開いた卓空さんの絵画展直前に急逝。その悲しみの中、入場者は異例の2500人超となり、大好評を博したという。
卓空さんは、父・哲也さんを介して、報道陣に「仏像の明るさ、やさしさを、しっかり伝えます。頑張ります」と述べ、同じ難病に苦しむ人々への、深い思いやりをにじませた。
哲也さんは「卓空の絵は、先ず針の穴ほどしか見えない目で、仏像の写真などを細かく見ます。その上で、画用紙の大きさを手の感触で確かめ、丹念に運筆。出来上がりは、写真とはまったく違って、卓空の思いがそのまま絵に現れます。その明るさがうれしいです」と話していた。
開館時間は午前10時~午後5時(作家・在廊)。
写真(上)は「祈りの絵画展」で本村卓空さん=左=と哲也さん。写真(中)は本村さん筆の「大日如来」。写真(下)は本村さんの逞しく明るい心が表れた絵画展の雰囲気。

更新日:2019年9月3日 火曜日 00:00

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