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高野の花たち(205)クリ、淡黄白色の花穂が垂れ

クリ(栗)はブナ科クリ属の落葉高木。名前の由来は、落ちた実が石のようであることからで、小石を意味します。古語「くり」からこの名前になりました。樹皮は灰色で厚く、縦に深い裂け目があります。葉は楕円形でやや薄くてぱりぱりしていて、周囲に鋭く突き出た小さな鋸歯があります。花は雌雄同株で、長い雄花の花穂の下に短い雌花がつきます。雄花は受粉すると栗のイガになります。
梅雨時、木をおおうように、淡黄白色の花穂が垂れ下がり、独特の青臭さを放ちます。北海道西部から九州の丘陵地や山地に生育しています。
クリの花は、虫媒花であるため独特の匂いを放つことで、ハエやアブなどの昆虫をひきつけて受粉を行っています。
クリは日本原産の果実で、縄文、弥生時代の頃から食用や建材として利用されてきました。戦国時代には、兵士たちに縁起を担いで「かち栗」として、栗を持たせたそうです。また、飢饉には非常食として大量に出回ったそうです。炭水化物以外の豊富なミネラルなども含まれており、バランスがとても良い食品です。
葉・イガ・渋皮などは、はれもの、かぶれ、老化防止などの薬効があります。花言葉は、「公平」「満足」「豊かな喜び」です。
高野山ではたくさんのシバグリが自生していますが、平地に比べて「今ごろ」とびっくりするほど、随分と遅く開花します。
秋、イガが枝から落下した栗を、リスやムササビなどが好んで食べます。山育ちの私は、子どもの頃、山で沢山拾いおやつに食べたものです。  (E記)


更新日:2019年7月3日 水曜日 00:00

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