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阪神淡路大震災、無念忘れまじ~高野山で犠牲者追悼

阪神淡路大震災の犠牲者6434人の25回忌「物故者追悼法会」が1月17日、和歌山県高野町の高野山奥の院・慰霊碑前で営まれ、高野山真言宗総本山・金剛峯寺の僧侶や職員約40人が犠牲者の冥福を祈った。
震災後24年のこの日、照り翳りする氷点下2度の慰霊碑前で、添田隆昭(そえだ・りゅうしょう)宗務総長を導師に約20分間、全員で理趣経(りしゅきょう)を読経。高野参詣者や山内在住者が焼香・合掌した。
金剛峯寺は平成7年(1995)1月17日午前5時46分に起きた阪神淡路大震災の翌年春、奥の院・参道わきに慰霊碑を建立。同9年から毎年、本堂・大広間や慰霊碑前で追悼法会を開いてきた。
添田宗務総長は報道陣を前に「日本列島は自然災害が多く、今は、南海トラフが心配です。この追悼法会で無念な気持ちを忘れず、常に心を引き締めてほしい」と話した。
夫婦で参列した兵庫県丹波市の農業・山本繁行(やまもと・しげゆき)さん(70)は、あの震災直後、家屋が全壊した西宮市の叔父方へ軽トラックで急行した。
叔父はタンスの下で奇跡的に無傷で助かったが、向かいに住む70歳前後の男性は、倒壊家屋の梁(はり)の下敷きになって死亡。山本さんはチェーンソーで梁を取り除き、遺体の運び出しに尽力した。
そのつらい経験を持つ山本さんは、「今朝、高野参拝に来て、追悼法会を知り、犠牲となられたすべての方々のご冥福をお祈りしました」と手を合わせていた。
写真(上)は慰霊碑前で追悼法会の導師を務める添田宗務総長。写真(中)は焼香・合掌する女性。写真(下)は添田宗務総長ら僧侶約30人が読経する追悼法会の風景。


更新日:2019年1月18日 金曜日 00:00

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