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西行偲び献香・献茶式♪9月9日・丹生都比売神社

平安時代末期の歌人・西行法師(さいぎょうほうし)生誕900年の節目に当たる9月9日(日)、西行ゆかりの地である和歌山県かつらぎ町上天野の丹生都比売(にうつひめ)神社で、献香・献茶(けんこう・けんちゃ)式「祈りから実り」が斎行(さいこう)される。丹生晃市(こういち)宮司は「当地には昔、西行法師の妻と娘が庵(いおり)に住み、今は2人の墓所もあるので、ぜひ、お越しください」と言っている。
地元住民でつくる「天野西行会」の説明によると、西行法師は同町近隣の紀の川市(旧・打田町)生まれで後年、出家して高野山に滞在したが、妻は女人禁制のため高野山に登れず、康治元年(1142)頃、丹生都比売神社の近くに庵(いほり)を構え、尼僧となって生活。やがて15歳の娘も尼となって同居、この地で生涯を終えた。西行法師は下山した際、同庵で妻や娘と団欒(だんらん)を楽しんだとされる。
そこで地元住民は昭和61年(1986)、もともと庵のあった近くの丘に、西行庵(木造平屋建て16平方メートル)を再建し、住民協力と住民浄財で修復を重ね、毎年11月20日前後には法要を営み、西行一家の冥福を祈っている。
丹生都比売神社は1700年以上前に創建され、丹生都比売大神を祀る。弘法大師・空海は1200年前、丹生都比売大神から、高野山を借り受けて開山。日本人信仰の源である神仏融合の社として、世界遺産に登録されている。
今回は京都・西行庵からの希望を快諾し、邪気を祓うとされる重陽の節句(菊の節句)の9月9日(日)、同神社で初めての献香・献茶式「祈りから実り」を斎行することになった。
主宰は洛東眞葛ヶ原(らくとうしんくずがはら)西行庵茶道円位流(えんいりゅう)当主・花輪竹峯(はなわ・ちくほう)さん。午前10時からご神前の楼門内で「献香・献茶式」があり、同11時から午後3時、社務所広間で「お茶席(薄茶)」が設けられ、直会点心(なおらい・てんしん)=茶会の中の食事=は、すぐ近くの古民家カフェ「天野和み処café 客殿(きゃくでん)」 で行われる。
会費は1人5000円。参加は80人限定で事前予約制。問い合わせは西行庵=京都東山区円山公園音楽堂南(電話075・561・2754)。
一方、9月2日(日)午後1時~同3時には、同神社拝殿で「世界遺産セミナー」が開かれ、高野山大学の下西忠(しもにし・ただし)教授が「天野と西行」と題して講演。定員は40人。参加費・事前申込み不要。、悪天候など都合により変更することもある。
丹生宮司は「この機会に当神社で天野と西行法師のことを知っていただきたい」と言っている。
写真(上)は丹生都比売神社。写真(中、下)は天野の西行庵。


更新日:2018年8月23日 木曜日 00:00

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