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女の子「こども相撲」で優勝!橋本の隅田八幡神社

日本伝統の相撲土俵で「女人禁制」が問題となる中、和歌山県橋本市隅田町の第37回「隅田八幡相撲大会」(隅田相撲愛好会主催)が、4月29日、同神社境内・相撲場で開かれた。出場した小学生計41人(うち女子児童6人)は、寺本嘉幸(てらもと・よしゆき)宮司から、男女の別なき「お祓い」で心身を清めてもらい、土俵上では勇ましくも無邪気に激突。大人の相撲世界とは異なる、楽しい相撲風景を見せていた。
隅田八幡神社では、江戸時代から郷土相撲が行われ、昭和15年(1940)頃、第二次世界大戦で途絶えた。地元有志は昭和55年(1980年)に「隅田相撲愛好会」を結成し、同神社近くに土俵を築造して「隅田八幡相撲大会」を復活。男女の別なく、児童の郷土愛を育み、心身鍛錬を掲げて、大会を続けてきた。
この日、寺本宮司と佳文(よしふみ)禰宜(ねぎ)が、塩で清められた土俵上で、恭しく祝詞(のりと)を奏上。さやさやと大麻(おおぬさ)でお祓いをし、全員の心身を清めたあと、国歌を斉唱して開会した。
平木哲朗(ひらき・てつろう)市長や小林俊治(こばやし・しゅんじ)教育長、隅田相撲愛好会の中西亨(なかにし・とおる)会長らが、子供たちへの声援と、関係者への謝辞を述べた。
とくに今回は、橋本市議会の土井裕美子(どい・ゆみこ)議員が、土俵上の祭壇に玉串を奉奠(ほうてん)した後、「女性が土俵に上がれない議論が起きている昨今、この相撲大会では、女の子も自由に参加できています」と謝辞。「相撲は国技であり、ここには素晴らしい土俵があります。相撲とは力と力がぶつかり合う、素晴らしいスポーツです。勝っても負けても、子供たちを褒めてあげてください」と訴えた。
この後、地元の隅田、あやの台、境原、恋野小学校などの1~6年生児童が次々と出場。子どもたちは、名前を呼ばれると、顔をこわばらせて土俵にあがり一礼。
土俵中央で蹲踞(そんきょ)の姿勢をとり、行事が軍配を上げて、「はっきょい」と言った瞬間、勢いよく立ち上がり、足を掛けたり、降り回したり、可愛いくも真剣な取り口を見せていた。
その結果、女子児童では今回、あやの台小学校3年の駒田悠衣(こまだ・ゆい)さん(8歳)が、男児らを浴びせ倒しや引き倒しで圧勝、初出場でみごと優勝を飾った。
駒田さんは、ダンスや水泳など大好きなものが沢山ある。「相撲は兄やいとこに教えてもらったけど、これがめっちゃ楽しくて、きょうは男の子相手に優勝できてうれしいし、来年も頑張りたいです」と明るく笑っていた。
栢木(かやのき・よしお)義夫・前会長の後継者となった中西会長は、「私たち若者の力を合わせて、隅田八幡神社伝統の相撲を盛り上げて参ります」と誓っていた。
各学年の優勝・準優勝者は次の皆さん。
1年生=①東口瑛太(ひがしぐち・えいた)=隅田小②小島玄登(こじま・げんと)=あやの台小。2年生=①山本莉功(やまもと・りく)=あやの台小②田中俊太郎(たなか・しゅんたろう)=三重県鈴鹿市・郡山小。3年生=①駒田莉衣(前掲)②寺本湧祈(てらもと・ゆうき)=あやの台小。4年生=①井上勇真(いのうえ・ゆうま)=あやの台②辻井茂真(つじい・とうま)=あやの台小。5年生=①前坂直希(まえさか・なおき)=あやの台小②森本大智(もりもと・だいち)=隅田小。6年生=①宮本翼(みやもと・つばさ)=境原小②岩井具隆(いわい・ともたか)=恋野小。
写真(上、中)は男児を相手に大活躍の駒田莉衣さん。小学校3年生の部・優勝で表彰される駒田莉衣さん。


更新日:2018年4月30日 月曜日 00:00

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