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橋本市民狂言ユーモラス♪満場250人爆笑と拍手

和歌山県橋本市の市民グループによる、全国でも珍しい「橋本市民狂言」が2月4日、橋本市教育文化会館2階大ホールで開かれ、約250人の満場の市民が、ユーモアあふれる日本の伝統芸能を堪能した。
橋本市民狂言は、橋本狂言会会員や市内の公民館館長らでつくる同実行委員会が主催。橋本市と市教委が共催、プロの狂言師による大和座狂言事務所(大阪府吹田市)が協力して、毎年2月に開催し、今年で7回目になる。
初めに挨拶に立った実行委の西岡昌治(にしおか・まさはる)副委員長が、「雪ながら春立つ朝のめでたさよ」と切り出し、「狂言は、大きな声で抑揚(よくよう)をつけ、大げさな所作で滑稽(こっけい)に演じ、ユーモラスです。この中から何かを感じるのが鑑賞の秘訣です」と挨拶した。
第1部は、市内の「こども狂言教室」で学ぶ男女児童生徒9人が参加。演目「附子(ぶす)」「口真似(くちまね)」「雁礫(がんつぶて)」の3題を熱演した。
例えば「雁礫」では、大名役を前田大吾(まえだ・だいご)さん、道通り役を阪口侑起(さかぐち・ゆうき)さん、仲裁人を武智諒剛(たけち・まさたか)さんが演じ、雁(がん)の奪い合いを滑稽に披露。人間の欲深さや、ずる賢さを、笑いを誘いながら繰り広げた。
第2部では橋本狂言会のメンバーによる演題「太刀奪(たちばい)」に始まり、蜜柑(みかん)をめぐるトラブル「柑子(こうじ)」では、FMはしもと報道部長の中野豊信(なかの・とよのぶ)さんらが出演。とどのつまりは、中野さんが巧妙に謡(うたい)を演じ、三つ成りのミカンを食べてしまうという有様を紹介、爆笑を誘った。
また演題「茶壺(ちゃつぼ)」では、スッパ役に岸田和美(きしだ・かずみ)さん、中国の者に大居満佐子(おおい・みさこ)さん、仲裁人に脇田清司(わきた・きよし)さんが扮し、おどけ眼(まなこ)で茶壺の奪い合いを演じた。時には敢えて間を外し、ちらり素人の良さを見せる3人の演技が、観客の心をくすぐっていた。
第3部では大和座狂言事務所が狂言「左近三郎(さこのさぶろう)」を公演。出家役の安東伸元(あんどう・のぶもと)さん、狩人役の安東元(あんどう・げん)さんが、殺生禁断の仏教問答を演じ、客席にはプロの迫力が伝わり、改めて日本文化の素晴らしさを感じさせた。
会場からはと「こども狂言の成長が著しい」「狂言で人間の面白さがわかる」「狂言は滑稽で奥ゆかしい」という声が聞かれた。
なお、「こども狂言教室」(公益財団法人・文化スポーツ振興公社主催)では毎春、受講生を募集。7月から毎月2回前後の練習を重ね、1月の本番「橋本市民狂言」で、成果を披露している。受講希望などの問い合わせは同振興公社(電話0736・33・6108)へ。
写真(上)は「雁礫」を演じる前田さん、阪口さん、武智さん。写真(中)は「柑子(こうじ)」を熱弁をふるう中野さん。写真(下)は狂言「左近三郎」を演じるプロの安東伸元さんと安東元さん。


更新日:2018年2月5日 月曜日 00:00

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