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大正の旅館「玉川亭」復活♪九度山で欧米人ら感激

大正末期の老舗(しにせ)旅館1階を改装して営業している和歌山県九度山町九度山のランチ&スイーツ店「おやつの時間 cafe style」=中川美友己(なかがわ・みゆき)さん経営=は、今年1月から同建物の2階を改装して、昔の屋号「くどやま旅館・玉川亭」として〝老舗旅館〟を復活させた。すでに国内だけでなく、欧米諸国から高野山の参拝・観光客が宿泊して、好評を博しており、旅館業務を担当する中川さんの夫・雅善(まさよし)さんは、「九度山には世界遺産の慈尊院や丹生官省符神社、高野山へ登る町石道(ちょういしみち)があり、参拝・観光客の皆さんに、ぜひ、楽しんでいただきたい」と言っている。
もともと「くどやま旅館・玉川亭」は木造瓦葺き2階建て。すでに廃業していた同旅館を平成27年(2015)、中川さん夫婦が借り受け、1階でランチ&スイーツ店を開業。ちょうど九度山ゆかりの戦国武将・真田幸村が、NHK大河ドラマ「真田丸」として放送され、同店は郷土産の柿シロップ付き「真田プリン」や、九度山いちごの「チョコレートフォンデュ」などを開発。多くの観光客を楽しませた。
今回は2階・和室の有効活用を考え老舗旅館の復活を決意。2階の和室10畳は、鴨居(かもい)も敷居(しきい)も欄間(らんま)も古めかしく、紙障子をあけると、和泉葛城山脈や紀の川流域の田園風景が見える。
床の間には鎧兜(よろいかぶと)や剣(つるぎ)、弓矢で飾り、他には赤や青の「ちゃんちゃんこ」を掛け、畳にはホーム炬燵(こたつ)、その上に温州みかんを置いた。
営業方法は、地元の「中川旅館」と提携。同旅館の宿泊客の食事一切を「玉川亭」が受け持ち、宿泊客も「中川旅館」が満室の場合は、「玉川亭」が引き受けることに。もちろん建物には、消防や保健所の指導で、火災報知器や非常誘導灯などを完備した。
その結果、ネット検索などで知ったアメリカやフランス、ドイツなど欧米諸国から、高野山観光に訪れた若いカップルや家族連れらが宿泊。今は、台風被害で南海高野線・高野下~極楽橋間が運休中のため、九度山駅で下車、南へ徒歩5分の同旅館を利用。翌日は九度山駅から一旦、橋本駅に戻り、そこから臨時バスで高野山へ登っている。
マジシャンでもある雅善さんは、これら宿泊客に、得意のマジックを披露したり、英語バージョンのマップを進呈して、名所・旧跡などを説明したり。とくに外国人・観光客は、鎧兜に驚き、ちゃんちゃんこを着て喜び、何よりも雅善さんのもてなしに感激している。
また2月24日(土)には、映画「空海―KU-KAI―」(チェン・カイコ―監督、夢枕獏・原作)の放映予定に伴い、「おやつの時間 cafe style」では、ごま豆腐を使った創作精進ランチ&ティラミス=980円(税込)=を販売する方針。
雅善さんは「ぜひ大正ロマン漂う旅館で、素敵なひとときを過ごし、郷土野菜を使った料理を味わい、高野山と山麓の素晴らしさを体験してください」と言っている。
「玉川亭」の宿泊料(朝食付き)は平日(日曜日含む)5600円、土曜日6000円(いずれも税込)、素泊まりは平日4800円、土曜日(同)5200円(同)。
問い合わせは「おやつの時間 cafe style」中川みゆきさん(090・8446・8208)へ。
写真(上)日本情緒ただよう「くどやま旅館・玉川亭」の10畳の和室。写真(中)は床の間に飾られた鎧兜や剣、弓矢など。写真(下)は大正ロマンを残す老舗旅館「玉川亭」の建物=今は2階が玉川亭に復活、1階は「おやつの時間 cafe style」。


更新日:2018年2月4日 日曜日 00:00

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