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日本髪♪後世に伝承を~小森さん「撮影会に来てね」

京都の花街でも数少ない、日本髪を結う「女性・結髪師(けっぱつし)」が、和歌山県かつらぎ町にいる。同町笠田東391の3の「かみゆい処 タエ」の小森富代(こもり・とみよ)さん(50)で、小森さんは10月31日、橋本市の伊都振興局で、その髪結い仕事を報道陣に披露した。11月19日(日)には、かつらぎ町上天野の丹生都比売(にうつひめ)神社で「日本髪 撮影会」を開催すると発表。小森さんは「この素晴らしい伝統文化、どうか写真で次世代に伝えてください」と、多くの参加を呼びかけている。撮影会・参加は無料。
小森さんは大阪高津理容美容専門学校を卒業。母が経営する昭和40年(1965)創業の「タエ 美容院」=「かみゆい処 タエ」の前身=で働く一方、平成20年(2008)から、京都でも名高い結髪師・石原哲男(いしはら・てつお)氏に師事。普段は母の後継・美容師として勤めている。
小森さんは、母の美容業のお陰で、幼い頃から数多くの花嫁姿に接し、日本髪の美しさに魅了されてきた。成人して、石原氏に師事してからは、「どんどん失われ、忘れ去られていく日本髪」や「不要になっていく櫛(くし)、髪飾り、鬢付(びんつ)けなどの小道具類」に驚いた。
幼い頃の「日本髪への憧れ」は、「日本髪の伝統文化を残したい」という気持ちに変わり、平成27年には旧・名手本陣(紀の川市)、今年4月には高野山・金剛峯寺や壇上伽藍(高野町)、高野口小学校(橋本市)などで「ボランティア撮影会」を開催。
小森さんが仕上げた日本髪姿の女性を次々お披露目し、アマチュアカメラマンに、写真による伝承・保存を訴えてきた。
小森さんは30日朝、この髪結い技術を伊都振興局で披露。かつらぎ町在住の商工会職員・中辻有香(なかつじ・ゆか)さん(22)をモデルに、櫛や鬢付け、髪飾りなどの奥義を見せると、今風の茶髪の振り袖姿の中辻さんは、黒髪もしなやかな舞妓さんの髪型に変身。その艶やかさは、昔の日本情緒を漂わせた。
小森さんは「石原先生から〝日本髪を後世に伝えるタスキ〟を受け取ったつもり。普段は美容師として働いているが、将来は結髪師として、花嫁や七五三の子供たちを、日本髪で飾りたい」と抱負を述べていた。
丹生都比売神社での「日本髪 撮影会」は、11月19日(日)午後1時~3時(雨天中止)、日本髪に着物姿の女性4、5人が登場する。
同神社では「本殿特別拝観&境内ガイドウォーク」を実施(~11月26日の土日・祝日の午前10時と午後0時30分)中で、当日は橋本駅と高野山駅から同神社間を「高野山麓アクセスバス」が運行する。
丹生晃市(にう・こういち)宮司は、小森さんからの依頼を快諾し、「日本髪 撮影会」の舞台を提供することに。「ぜひ、日本の伝統文化・歴史を撮影にきてほしい」と話していた。
石原氏は平成28年(2016)に日本髪の世界研究所を開設。著書に「歴代の髪型」「舞妓の髪型」「日本髪の世界」(髪型と髪飾り編)など多数。
「日本髪 撮影会」の問い合わせは「かみゆい処 タエ」(電話=0736・22・2481)。
写真(上)は中辻さんをモデルに丹念に舞妓髪を結い上げる小森さん。写真(中)は結髪を開始したばかりの中辻さんの本来の髪型。写真(下)は舞妓髪に仕上げた小森さんと昔ながらの日本女性に変身した中辻さん=伊都振興局で。


更新日:2017年11月1日 水曜日 00:00

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