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音楽・本・自然楽しく♪くどやま森の童話館オープン

和歌山県九度山町北又の旧・久保小学校が、童話や絵本、クラシック音楽などの楽しめる「くどやま森の童話館」として生まれ変わり、10月1日、岡本章(おかもと・あきら)町長ら関係者約100人が集まって、オープン記念式が行われた。岡本町長は「この童話館は高野山に参詣する世界遺産・黒河道(くろこみち)のすぐそばにあり、ぜひ、童話館の良さと、自然の素晴らしさを体感してほしい」と話した。
旧・久保小学校は明治9年、薬師堂を仮校舎として開校。学校校舎は平成13年(2001)の火災で全焼し、翌14年8月、木造平屋瓦葺き校舎(約220平方メートル)を、復元する形で再建・開校したが、同18年4月、児童数減少のため閉校した。
この日、「くどやま森の童話館」オープン式典には、岡本町長や最後の卒業生の会社員・小西敦史(こにし・あつし)さん(24)、伊都振興局の藤森弘之(ふじもり・ひろゆき)局長、堀龍雄(ほり・たつお)県議、同町議会の松谷要(まつたに・かなめ)副議長ら6人をはじめ、九度山保育所・幼稚園の児童、開館に協力した和歌山大学の遠藤史(えんどう・ふびと)副学長、同大学図書館の渡部幹雄(わたなべ・みきお)館長、童話作家で県教育委員の佐藤律子(さとうろりつこ)さんらが出席。
初めに岡本町長ら6人が童話館・玄関前に整列、子供たちから紙で工作したハサミを受け取り、テープカットして開館を祝った。
挨拶に立った岡本町長が「自然をテーマ、子供をメインにして、童話館にした。遠藤・副学長から寄贈していただいたLP盤・クラシックレコード約1000枚、さらに厳選・購入した絵本や童話、真言密教の本など約1000冊を置いています」と説明。
「この自然環境の中、音楽も読み聞かせも、星空観察も最高です。将来、もっと本を増やし、グラウンドや空き家を活用して、素敵な林間学校にしたい」と希望を述べた。
藤森局長は「ここはノスタルジックな日本の原風景。本棚もレコード収納棚も紀州材。交流施設のシンボル」と祝辞。高野町の平野嘉也(ひらの・よしや)町長は「先程、岡本町長とクラシック音楽を聴き、美しい音色に感動した。とても素晴らしいので、ぜひ、高野山の子供たちも、ここで過ごさせたい」と讃えた。
この後、遠藤・副学長がドボルザークの「ユーモレスク」などクラシック曲をピアノ演奏、朗読クラブ「ひかり」メンバーが絵本の読み聞かせ、佐藤さんが「絵本の魅力」について話し、全員、開館初日の和やかなひとときを過ごした。
最後の卒業生・小西さんは「私の兄が6年生の時、私は1年生で、児童はたった2人。その後、1人で勉強、1人で卒業しました。今は実家から伊都郡内の会社まで車で通勤していますが、この懐かしい校舎が、立派な森の童話館に活用されて、とてもうれしいです」と喜んでいた。
同館廊下では「くどやま森の童話館オープン記念 わかやまけん原画展」を開催。「おんぶにだっこ」をテーマに11脚のキャンバスに原画を展示。例えばサルやカメ、ニワトリなどの背中に子ザル、子ガメ、ヒヨコが乗る、または抱っこされる姿で、とくにニワトリの鶏冠(とさか)の赤、羽の白、ヒヨコの黄色が印象的。10月22日(日)まで。
場所は橋本市賢堂の高野山真言宗「定福寺(じょうふくじ)」から、世界遺産・黒河道を高野山・女人堂に向かって登る中間地点。車なら九度山町河根の紀伊丹生川・塩の瀬橋から高野山方面へ道なりに車で走り約20分。
開館日は土曜、日曜、祝日と公立学校の夏休み期間中。午前9時~午後4時30分。嘱託・地元住民が対応する。駐車OKだが、道は狭く急坂なので要注意。12月~3月は閉館。問い合わせは、九度山町北又379「くどやま森の童話館」(電話=0736・54・3068)。
写真(上)は「くどやま森の童話館」オープン記念式が行われた旧・久保小学校。写真(中)はアナログ・レコードでクラシック音楽が聴ける離れは「リスニング・ルーム」。写真(下)は、わかやまけんさんの同館オープン記念・原画展「おんぶにだっこ」。


更新日:2017年10月2日 月曜日 00:00

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