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山崩れで負傷者6人!橋本署と「友愛苑」救護訓練

大型台風で裏山が崩落し、福祉施設の利用者が危険な状態にあるという想定で、和歌山県警橋本署は県警機動隊や伊都消防組合本部、行政などと協力して、9月13日、和歌山県九度山町河根の特別養護老人ホーム「友愛苑(ゆうあいえん)」で、利用者救出の合同災害警備訓練を実施した。
「友愛苑」は平成13年(2001)4月オープン。利用者(長期、短期)は計約70人。紀の川フルーツライン南側の高台にある。訓練には警察、消防、施設職員ら計約40人が参加した。
この日、ゲリラ豪雨による裏山崩壊で施設内に土砂が流入、利用者5人が重軽傷を負い、3階の1室に1人が閉じ込められているという想定。森本啓之(もりもと・ひろゆき)施設長が、県警通信指令室に電話で通報、救出依頼した。
この緊急連絡を受けた橋本署員や県警機動隊員、伊都消防本部員と救急車やレスキュー車両が現場に急行。途中、道をふさいだ倒木や金属パイプをチェーンソーやエンジンカッターで除去。
施設では負傷者5人を担架で表に運び、医師・看護師、消防本部員らが「重体」「重傷」「軽傷」と、治療の優先順位別に振り分ける「トリアージ」を行い、てきぱきと応急手当て。3階に取り残された重傷者1人(人形)は、ストレッチャーに乗せて、慎重にロープで地上に降ろした。
訓練に先立ち「友愛苑」職員は、警察や消防関係者を前に、「高齢者は骨折しやすく、皮膚も弱いので、とくに丁寧な救護が必要」と説明。高齢者をやさしくシーツに包んで、ストレッチャーに乗せる動作を披露。県警機動隊員は、毛布と2本の棒を使って、応急担架の作り方を実演して見せた。
訓練の後、森本施設長は「私たちは毎年2回、防災訓練を行っていますが、このような大掛かりな訓練は初めてです。万が一災害に遭った場合、私たちの力だけでは無理で、警察や消防、行政のご協力をいただき、人命救助できるように頑張りたい」と感謝。
陣頭指揮に当たった橋本署の西新(にし・あらた)地域課長は「きょうの訓練は、とても有意義でした。とくに施設職員が高齢者をいたわりながら救護する方法は、今後の救護訓練のいい糧(かて)となりました」と話していた。
写真(上)は消防本部員らにトリアージ&応急処置を施してもらう負傷者たち=訓練参加の施設職員。写真(中)は道をふさぐ倒木や金属パイプを切断する橋本署員。写真(下)は3階からストレッチャーとロープで人命救助に当たる県警機動隊員ら。


更新日:2017年9月14日 木曜日 00:00

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