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江戸時代「行器」保存してね♪阪口さん橋本市へ寄託

JR・南海橋本駅前の区画整理事業に伴い、地元住民の「不要になったお宝」の保存活動に努めている和歌山県橋本市古佐田の元区長・阪口繁昭(さかぐち・しげあき)さん(88)は、市民から依頼された江戸時代の行器(ほかい)=食べ物を運ぶ容器=を、このほど橋本市市街地整備課に寄託した。
この行器は2器一対(にきいっつい)で、器の高さ約40センチ、直径約35センチの円筒形。漆塗り金箔(きんぱく)模様付で、先端に房の付いた朱色の太紐(ふとひも)が掛けられている。専門家の見立てでは、江戸時代後期に製作、使われてきたらしい。
行器は、ご飯やおかずを収め、2つの器を天秤棒(てんびんぼう)で担いで、主に野外の宴席などに運ぶ容器。例えば春らんまん花莚(はなむしろ)での桜見物や、薫風に吹かれる緑陰(りょくいん)など、その宴席まで厨(くりや=調理場)から食事を運んだ器である。
岡山県出身の平井修(ひらい・おさむ)さん(故人)が、妻の郷里である橋本に移住した際、実家に伝わる行器を持参。今回、駅前区画整理事業により、自宅の物品整理中に「行器」を発見したが、処分するにしのびず、阪口さんに「保存協力」を依頼していた。
市街地整備課では倉庫に保管中で、今後、橋本市郷土資料館など、どこで保存するかどうかなど、その「保存方法」を検討する。阪口さんは「橋本市民の貴重なお宝です。よろしくお願いしたい」と話していた。
写真は平井さんの家族から阪口さんを通じて
橋本市市街地整備課に寄託された行器。


更新日:2017年5月9日 火曜日 00:20

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