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大茶盛♪家族ら和やかに~橋本の利生護国寺(重文)

鎌倉時代の真言律宗・西大寺(奈良)の中興の祖・叡尊(えいそん=興正菩薩=こうしょうぼさつ)が、一般庶民にもお茶を飲ませたと伝えられる「大茶盛」(おおちゃもり)の行事が、4月16日、和歌山県橋本市隅田町下兵庫の同宗・覚王山(かくおうざん)「利生護国寺」(りしょうごこくじ)=宮本昌峯(みやもと・しょうほう)住職=で開かれ、大勢の善男善女が大茶碗で抹茶の味を楽しんだ。
利生護国寺は、奈良時代に行基(ぎょうき)が開基し、本堂は国指定の重要文化財。昭和63年(1988)に初めて大茶盛を開き、その後、平成16年(2004)から2年に1度、同寺と檀家実行委員会が開いてきた。
この日、宮本昌峯(しょうほう)住職らが、木造大日如来坐像に向かって読経。参拝者の幸福を祈願した後、大きな茶せんを使ってお点前。和服姿の7人の女性が、お菓子と抹茶を運んだ。本堂に参集した善男善女は、真っ赤な毛氈(もうせん)上に座り、直径50~25センチの大茶碗を抱え、抹茶を回し飲み。
同市北馬場から参加した今井虹光(いまい・にこ)ちゃん(5歳)は、母・純子(じゅんこ)さん(34)や父、祖母に大茶碗を支えてもらいながら、抹茶をすすった後、「おいしい」と言ってにっこり。今度は母のために大茶碗を必死で支え、その光景を父と祖母がやさしく見守っていた。
もともと大茶盛は、叡尊が延応元年(1239)に「茶は滋養・栄養であり、貴族だけでなく庶民にも」と発案して始めた。
真言律宗の5戒は「殺」「盗」「淫」「妄」「酒」で、「大茶盛」とは、酒で宴会する「酒盛り」でなく、お茶で宴会する「大茶盛」と呼んだ。西大寺では約780年間、伝承されている。
写真(上)は利生護国寺の大茶盛で抹茶を飲む母を助ける今井虹光ちゃん。写真(中)は母・純子さんや父、祖母たちに大茶碗を支えてもらいながら抹茶をすする虹光ちゃん。写真(下)は大茶盛の和やかな光景。


更新日:2017年4月16日 日曜日 17:13

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