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緑内障と闘い自宅新築♪橋本恋野で画家・中野さん

奈良時代のヒロイン・中将姫ゆかりの和歌山県橋本市恋野で、つらい緑内障と闘いながら、自らの手でマイホームを建築した画家がいる。同市光陽台在住の新世紀元会員の中野正士(なかの・まさし)さん(64)で、「ほとんど目の見えない中、素人の大工仕事は大変でしたが、それでも、絵画制作と同じく、完成はとてもうれしいです」と元気に語った。
中野さんは、自ら設けた「いづこへ」をテーマに、心象風景を描き続ける油彩画家。昔、堺市在住の会社の先輩が定年後、自然豊かな和歌山県紀美野町で、自ら手造り住宅を新築して生活。中野さんはそこに何度か招待され、山河ある静かな里での素晴らしい生き方に心打たれた。
そこで中野さんは5年前、中将姫伝説があり、あじさいの里で名高い紀の川南側の丘陵地の良さを感じ、敷地約700平方メートルを買収。
先ず作業所・倉庫を作り、2年前から「夢の住宅」の木造模型を制作。それを基に現役時代は土曜、日曜日に大工仕事を重ね、62歳で退職後は、連日のように家造りに専念。今は建物が見事完成し、あとは風呂場作りを残すのみとなった。
中野さんが緑内障になったのは61歳の頃。家族や友人の顔も判別できないほどに悪化してしまい、やむを得ず62歳で新世紀を脱会。それでも、自宅造りは続け、絵画についても、心のキャンバスには、心象風景を描き続けてきた。
4月9日の日曜日、この新宅周辺は沢山のタンポポが輝き、神社仏閣や浮御堂周辺の桜は満開で、中空では揚雲雀(あげひばり)が、春らんまんを告げている。
中野さんは「目がこんな状態なので、何度もハンマーを投げつけたい気持ちになりました。でも今は自宅が完成して、とてもうれしいです」と述べ、絵画のテーマ「いづこへ」については、「東日本大震災の時、人間はどこへ行くのか、と考えさせられました。今は、絵筆を執ることもできませんが、心の中でテーマを追い続け、森羅万象、心の絵にしていきたい」と話していた。
写真(上)はこの木造模型を基に後ろの家を新築したと語る中野さん。写真(中)は画家手造りの綺麗な木造家屋の内部。写真(下)はタンポポも輝く中野さんの新宅。


更新日:2017年4月10日 月曜日 00:00

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