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幻の石の道標・黒河道に再建♪参拝観光客の安全祈る

和歌山県橋本市賢堂の高野山真言宗・定福寺(じょうふくじ)=生地清祥(おんじ・せいしょう)住職=は、近くの世界遺産・黒河道(くろこみち)入口付近に、出所不明の江戸時代の「幻の石の道標」が建立され、4月2日、その道標前で参詣人の安全祈願法要を営んだ。地元住民でつくる「黒河の会」の山本一清(やまもと・かずきよ)会長は、「この素晴らしい道標、こんご半永久的に、参拝・観光客のお役に立つことでしょう」と喜んでいる。
「幻の石の道標」は、高さ約80センチ、幅約50センチ、厚さ約40センチの石製。柔らかな文字で「右 かうや道」と刻まれているが、建立場所は不明、建立年代などの表記もない。石の一部は、火災か焚火のせいで、熱せられ、赤みを帯びている。
昨年11月1日、玉川峡愛好会の上西進(うえにし・すすむ)会長が、同市横座の山中の空地(親類所有)で草刈り中、土に埋もれている同道標を発見。橋本市教委の調べで、江戸時代後期に高野山参詣道のどこかに建立されていたものと判断された。
これを新聞報道で知った山本さんが、上西さんと相談。「この道標は、地中に埋もれているよりも、世界遺産に追加登録された黒河道入口で、多くの参拝・観光客を案内することが一番いい」とまとまり、上西さん側が無償提供した。
この「幻の石の道標」は今春、やや高台の黒河道入口にたつ「高野玉川新四国霊場 第二番護摩壇」の御堂わきに建立。この日、生地住職と上西、山本両会長、黒河道周辺で植樹活動している地元の「ふる里の山に花を会」=上野剛敬(うえの・たけひろ)会長=の会員約20人が参集。
生地住職が般若心経を唱える中、参列者一人一人が「幻の石の道標」にお神酒をそそぎ、塩で清め、焼香して、黒河道から高野山にのぼる人々の安全を祈願した。
「幻の石の道標」のわきには、すでに若い南天の木が2本育ち、その後ろには銀杏(いちょう)の大木が1本そびえ、周辺には池も小川もある。南側には紀の川流域の市街地、遠くには和泉葛城山脈が眺められる。
上西会長が「よかった、石の道標がよみがえった」と言えば、山本会長も「本当に石が喜んでくれています」と相槌(あいづち)。朝から桜の植樹に汗を流してきた「ふる里の山に花を会」の会員たちも、「幻の石の道標」に手を合わせ、清々しい表情で見入っていた。
写真(上)は「幻の石の道標」にお神酒をそそぐ上西さん。写真(中)は黒河道に建立した「幻の石の道標」の前で参拝・観光客の安全祈願をする生地住職や関係者。写真(下)は綺麗に黒河道によみがえった「幻の石の道標」。


更新日:2017年4月3日 月曜日 00:00

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